一人暮らしの初期費用を安く抑えるコツは?費用内訳や目安と共に解説

公開:2021/05/21
更新:2023/06/12
一人暮らしの初期費用を安く抑えるコツは?費用内訳や目安と共に解説
一人暮らしを始める際には、初期費用と呼ばれる費用が発生します。住む部屋を決め、引越し業者を手配し、必要な家具や家電を揃えるには、時間と労力はもちろん、それなりのお金がかかります。なんとか安く抑えたい、と考える人も多いでしょう。 本記事では、一人暮らしを始める際にかかる初期費用の内訳と目安、それらを安く抑えるためのコツを解説します。

一人暮らしの初期費用とは?

一人暮らしの初期費用とは、以下の費用のことです。

  • 賃貸物件を借りる際の費用
  • 引越し費用
  • 家具や家電の購入費用

一般的には、「初期費用=賃貸物件を借りる際の費用」と理解している人も多いでしょう。しかし、引越しや家具、家電の購入にもそれなりの費用がかかります。費用発生のタイミングも近いことから、これらは一緒に考える必要があります。

賃貸物件を借りる際の初期費用

一人暮らしを始める際の最初のステップは、住む部屋を決めて賃貸借契約を結ぶことです。その契約に際してまとまった金額を支払うことになります。内訳は以下の通りです。

  • 敷金・礼金
  • 仲介手数料
  • 前家賃と日割り家賃
  • 保証会社利用料
  • 火災保険料
  • 鍵交換費用

契約日当日に現金を持参して済ませることもできますが、指定された期日までに銀行振り込みをするケースの方が多いです。

それぞれ、何のために・誰に・どのくらい支払うものなのか、解説していきます。

敷金・礼金

敷金と礼金はどちらも大家さんに対して支払うものですが、目的や性質が異なります。

敷金は、家賃が支払えなかった場合や退去時に修繕が必要になった場合に備えた、言わば預け金のようなもの。 一方の礼金はその名のとおり、部屋を貸してくれる大家さんへの謝礼金です。

敷金と礼金はそれぞれ、家賃の1~2ヶ月分であることが一般的。なかにはどちらか一方の費用しかかからない、またはどちらもかからない物件も存在します。

おもに西日本では敷金や礼金を保証金や敷引きと呼ぶことが多いです。不動産は地域ごとに慣習が異なり、各費用の相場も異なる可能性がある点を覚えておきましょう。

仲介手数料

仲介手数料とは、賃貸物件を借りるために利用した不動産屋さんに支払う手数料です。内見の案内や契約書の作成と説明、各種調整などの手数料と考えても良いでしょう。

仲介手数料は、家賃の1ヶ月分+消費税であることが多いですが、無料にしたり割引をしている不動産屋さんもあります。 主な理由としてはお客さんに入居してほしい大家さんが仲介手数料を自己負担する場合などがあげられます。

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前家賃と日割り家賃

通常、賃貸物件の家賃は前払いです。

例えば5月分の家賃については、4月末、もしくは4月の指定期日までに支払わなければなりません。よって契約時に、翌月分の家賃を前家賃として支払うのが一般的です。 多くの場合は、「入居日=家賃発生日」です。月初めからではなく、月の途中で入居をする場合は、1ヶ月分の家賃を日割り計算して支払います。

例えば、家賃が6万円の物件を契約して4月11日に入居する場合は、同日から月末までの20日分として4万円の日割り家賃が必要です。

ただし、中には必ずしも自分が希望する入居日が家賃発生日とならない場合があることを覚えておきましょう。

保証会社利用料

保証会社利用料とは、「家賃保証会社」の利用料のこと。 入居者による家賃の支払いが難しい場合に、一時的に立替払いするのが家賃保証会社の役割です。連帯保証人をたのむ人がいない場合に加えて、近年では連帯保証人の有無にかかわらず一律で保証会社の利用を求める物件も増えてきています。

一般的に、費用は初年度が家賃の半月分~1ヶ月分です。2年目以降は年間1万円前後でしょう。

火災保険料

賃貸物件の入居者が入る火災保険料とは、もしもの火災や漏水などの被害から入居者の家財を守るために加入するものです。また、大家さんや第三者への損害賠償責任が発生した際に備えるという側面もあります。

賃貸物件の契約時に不動産屋さんに勧められるものに加入する場合は、賃貸借契約の期間と同じ2年間分を一括で支払うのが一般的です。相場は1万5千円~2万円程度です。

関連記事:賃貸物件の火災保険はなぜ必要?加入の目的や方法、補償内容を解説

鍵交換費用

新築物件をのぞく多くの賃貸物件において、鍵の交換費用が請求されます。 物件によっては古い鍵を使用できる場合もあるかもしれませんが、防犯上の観点からオススメできません。

スタンダードなタイプのものは1万円前後、防犯性能の高いディンプルキーの場合は2万円前後でしょう。

初期費用以外にお引越しでかかる費用

引越し費用

住む場所が決まったら始めたいのが引越し準備。特に、引越し業者を利用する場合は早めに手配するようにしましょう。 引越し費用は、移動距離の長さや荷物の量に応じて高くなりますが、時期によっても高額になるため注意しましょう。

一般的には、引越しのハイシーズンである3月から4月にかけては予約も取りにくく、料金も高くなる傾向です。

家具・家電の購入費用

一人暮らしを始めるには、生活をするのに最低限必要な家具や家電をそろえなければなりません。

実家にあるものを持っていったり、知り合いから譲ってもらったりする場合もありますが、新生活を機に買いそろえるという人の方が多いでしょう。 賃貸物件探しをしているときは、家賃や初期費用、引越し費用に目がいきがちです。

しかし、寝具やカーテンなどの家具や、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの家電は入居する時点でそろっている必要があります。 あらかじめ、必要となる家具や家電をリストアップし、予算を確保しておくようにしましょう。

一人暮らしの初期費用の目安は?

「せっかく良い部屋が見つかったのに、初期費用が支払えない」「初期費用の目安が分かっていたら、もっと家賃の低い物件を選んでいた」という後悔は避けたいものです。

引越しや家具、家電の購入費用を含め、何にどのくらい費用がかかるかを把握し、それぞれの支払いに困ることがないようにしましょう。

賃貸物件を借りる際の初期費用は家賃の5ヶ月分

一般的に、賃貸物件を借りる際の初期費用は、家賃の5ヶ月分前後と言われています。

つまり、家賃が5万円の場合は25万円、8万円の場合は40万円程度が必要です。

物件によっては礼金がなかったり、仲介手数料が割引になったりしますが、必ずしもそのような物件に出会えるとは限りません。賃貸物件を借りる際の初期費用の目安はあくまでも「家賃の5ヶ月分」と覚えておくことをオススメします。

内容 家賃5万円の場合 家賃8万円の場合
前家賃(1ヶ月) 50,000円 80,000円
敷金(1ヶ月) 50,000円 80,000円
礼金(1ヶ月) 50,000円 80,000円
保証料(1ヶ月) 50,000円 80,000円
仲介手数料(1ヶ月) 50,000円 80,000円
合計金額(5ヶ月) 250,000円 400,000円

引越し費用は4万円前後

単身の引越し費用は、同一市区町村内の移動かつ荷物が少ない場合は3万円前後、同一都道府県内かつ荷物が多めの場合は4万円前後です。

引越し費用は、

  • 引越し先までの距離
  • 荷物の量
  • 引越しの時期
  • 引越し当日の曜日
  • 業者のプラン

などによって変動します。

どの引越し業者も基本的には移動距離と荷物の量によって決まりますが、3月〜4月は繁忙期のため通常料金より割増になります。引越し当日の曜日によっても料金が違うので、各業者の「引越しカレンダー」を参考にして引越し日を決めると良いです。 業者ごとに様々なプランがあるため、一概に目安を示すことは難しいです。

1社のみに相談すると相場がわからないので、インターネットの引越し見積りサービスを利用しながら、複数社から選ぶことをオススメします。 その際のポイントは「複数社と相見積もり」していることを正直に伝えることです。そうすることで、さらに料金が安くなる可能性があり費用を抑えることができます。しかし、金額だけで判断せず対応やサービス内容もしっかり確認して総合的に判断する必要があります。

引越しの機会に1年間使用していない物は処分して量を減らすよ良いです。 なお、荷造りや荷解きも業者にお任せする場合は、追加の費用がかかるので注意しましょう。

おおよその目安を4万円前後と考えつつ、引越し先が決まったら早めに見積りを取ったり、業者の手配をしましょう。

家具・家電の購入費用は10万円前後

家具や家電の購入費用は、少なめに見積もって10万円前後です。

金銭的に余裕がない場合は、まずは生活をするのに困らない程度に買いそろえ、余裕ができてから買い足していくと良いでしょう。

入居時に必ずと言って良いほど必要な家具が寝具とカーテンです。

特にこだわらなければ、寝具セットは1万円以内で買えるでしょう。カーテンは5千円以内で買えるものもありますが、部屋ごとに必要な数や大きさが異なる点に注意が必要です。

家電で最低限必要なものと言えば、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、炊飯器、ドライヤー、掃除機など。冷蔵庫や洗濯機は2万円以上かかることが想定されますが、その他のものは1万円以内で買えるでしょう。

冷蔵庫 20,000円〜40,000円
洗濯機 20,000円〜40,000円
電子レンジ 8,000円〜10,000円
炊飯器 5,000円〜10,000円
ドライヤー 3,000円〜5,000円
掃除機 4,000円〜7,000円
合計 60,000円〜112,000円

また、生活用品の購入には5万円くらいかかると言われています。100円均一などのお店を利用すると安く購入できるのでオススメです。 引越しする新居がインターネット回線付きの物件なら必要ありませんが、インターネット付き物件でない場合は個人でインターネット回線を契約する必要があります。

インターネット回線は大きく分けて「モバイル回線」と「固定回線」があります。モバイル回線の場合は工事費は不要ですが15,000円ほどの機種代がかかります。固定回線の工事費は25,000円くらいでしょう。キャンペーンで工事費や機種代が無料ということもあるのでうまく活用すると良いです。

紹介した費用の合計金額をまとめて表にしたので参考にどうぞ。

寝具 10,000円
カーテン 5,000円
冷蔵庫 20,000円〜40,000円
洗濯機 20,000円〜40,000円
電子レンジ 7,000円〜10,000円
炊飯器 5,000円〜10,000円
ドライヤー 3,000円〜5,000円
掃除機 4,000円〜7,000円
生活用品 50,000円
インターネット 15,000円〜25,000円
合計 139,000円〜202,000円

関連記事:一人暮らしの生活費はどれくらい?生活費の目安や支出を抑えるポイントを解説

一人暮らしの初期費用を抑えるためのコツ~賃貸物件編~

敷金・礼金がかからない「ゼロゼロ物件」を選ぶ

賃貸物件を探しているなかで、敷金と礼金の両方がかからない、いわゆる「ゼロゼロ物件」を見かけたことがあるのではないでしょうか。 ゼロゼロ物件は、少なくとも2ヶ月分の家賃相当額の支払いがなくなるため、大幅な負担軽減になります。敷金と礼金のどちらか一方がかからない物件もあります。

ただし、「敷金ゼロ」には注意が必要です。 敷金は一般的に、その一部または全てを退去時の修繕費用に充てることがあります。

したがって、入居時に敷金を預けていない状態で修繕が発生すると、退去時にその費用を請求される可能性があるということを覚えておきましょう。

仲介手数料がお得な物件を選ぶ

家賃の1ヶ月分+消費税分の金額を請求されることが多い仲介手数料ですが、中には無料のものや、割引になる物件があります。

これは、仲介手数料を無料にしたり割り引いたりしている分を大家さんが負担している場合や、不動産屋さんが所有する自社物件である場合に実現するものです。

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フリーレントがついている物件を選ぶ

フリーレントとは、2週間~数ヶ月間などの一定期間、家賃が無料になることを指します。

これによって、前家賃や日割り家賃分、場合によってはそれ以上の節約ができるかもしれません。

ただし、フリーレントがついている物件は、一定期間解約ができないという条件付きのものも多いので注意しましょう。

家賃が安い物件を選ぶ

内訳を見れば分かるとおり、賃貸物件を借りる際の初期費用に含まれるほとんどのものが、「家賃の〇ヶ月分」となっています。

つまり、そもそも家賃の安い物件を選ぶというのも1つの手段です。

以下のポイントで妥協できる条件はないか、検討しましょう。

  • 駅徒歩
  • 平米数
  • 築年数
  • 間取り

とにかく家賃の安さを追求するのであれば、1Rの部屋をメインに物件を探すとよいでしょう。駅からの立地やその他条件によっては、1Rと同等もしくはそれ以下の家賃で借りられるケースもある1Kも選択肢に入れてみてください。

一人暮らし向けの各間取りの特徴や、その選び方を以下の記事で詳しく説明しています。ぜひ、こちらも参考にされてみてください。

関連記事:一人暮らしで選ぶべき間取りは1R、1K、1DK、1LDKのどれ?選び方をご紹介

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一人暮らしの初期費用を抑えるためのコツ~引越し、家具・家電編~

引越しは時期や業者選びを工夫する

引越しは、ハイシーズンである3~4月は極力避けましょう。 さらに引越し日は、土日や祝日を避けて平日を選んだり、時間指定をしなかったりする方が安くすむことが多いです。

また、引越し業者選ぶ際は複数社から見積りをとるようにしましょう。他社の見積りを引き合いに出して交渉をすると、値引きをしてもらえる可能性があります。

荷物が少ない場合は、単身パックや他の利用者と同じトラックに荷物を積み込む混載便を利用するとお得です。 引越しについては、そもそも引越し業者を利用しないというのも1つの選択肢です。

家具や家電、その他必要な物を新居で全てそろえたり、新居に持って行く荷物を宅急便で送れる範囲に留めたり、マイカーやレンタカーで荷物を運んだりすることが可能であれば、引越し費用分が節約できるでしょう。

また、OHEYAGO(オヘヤゴー)では大切なお客様のために新生活をおトクにスタートできる優待サービスを提供しているので、是非チェックしてみて下さい。

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家具・家電の購入はセット販売やフリマアプリを活用

家具や家電は、1つ1つそろえるよりも、あらかじめセット商品として売られているものを買う方が割安です。1つ1つの品質や性能まで気にすることは難しいですが、シンプルなデザインで統一感をもたせることができるのでオススメです。 必ずしも新品にこだわらないという人であれば、メルカリなどのフリマアプリやヤフオクなどのネットオークションを活用するのもよいです。思いがけず格安で、必要なものをそろえることも可能です。

注意したいのが、ガスコンロやエアコンといった生活必需品を入居者が購入して取り付けなければならない賃貸物件です。これらの費用は初期費用が高くなる原因になります。 予想外の出費とならないよう、あらかじめ不動産屋さんに確認しておくようにしましょう。

以下の記事の中で、一人暮らしをはじめる際の必需品や、あると便利なものについて解説しています。自身のライフスタイルを踏まえて無駄な出費を抑えるために何をすべきか、ぜひ参考にされてください。

関連記事:賃貸物件で始める新生活!必要なものを家族構成別にご紹介

初期費用が支払えない場合

クレジットカードで支払う

物件によってはクレジット払いが可能な物件もあります。また一括払いの場合は金利も発生しません。 しかし、クレジットカードが指定されていたり、現金のみ対応している不動産屋さんもいますので事前に確認が必要です。

関連記事:賃貸物件の初期費用は分割払いできる?分割払いのやり方を宅建士がご紹介

家族に借りる

大学進学によって一人暮らしを始める方はまだ、アルバイトもしておらず安定した収入がない場合もあるかと思います。 その場合は、ご両親など親族に借りるのが良いかと思います。
クレジットカードや消費者金融は金利が発生します。分割払いは回数が多ければ実質金利が15%になることもあるため結果的に支払う額が大きくなります。 まずは周囲に相談してみましょう。

消費者金融を利用する

消費者金融で借りたお金は生活費(家賃など)に使うことが許可されています。 しかし、前提として消費者金融はオススメしていません。 こちらはクレジット同様に金利が発生する上に金利も高額になりやすいためです。

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まとめ

一人暮らしを始めるにあたっては、

  • 賃貸物件を借りるための費用
  • 引越し費用
  • 家具や家電の購入費用

などの初期費用がかかります。

まとまった支出になるからこそ、あらかじめその内訳や目安を把握しておくことが重要です。 物件探しをする際は、敷金や礼金、仲介手数料がお得な物件やフリーレント期間がある物件を選ぶことで、初期費用を抑えることができます。

また、引越しの時期や業者選び、家具や家電の購入方法を工夫することで、それらの費用を抑えることも可能です。 初期費用を抑えられるコツを知っているのといないのとでは、賃貸物件探しで注目するポイントも異なります。

予算の範囲内でスムーズに新生活がスタートできるよう、一人暮らしを始める際は本記事を参考にしてみてください。

     

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この記事を書いた人
中條 ふみ
OHEYAGO宅建士ライター
中條 ふみ
銀行とメーカー勤務を経て、夫婦で不動産賃貸経営をする子育てライター。これまでに中古アパート、一棟ビル、戸建の売買や賃貸を経験。保有資格は、宅地建物取引士と2級FP技能士。 自身の経験を活かしながら、女性目線を盛り込んだ不動産関連記事や取材記事を多数執筆。
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