仲介手数料の上限は1.1ヶ月分?初期費用を安くするコツも解説!
仲介手数料とは
仲介手数料は賃貸契約を仲介する際に発生する手数料
賃貸物件の仲介手数料は不動産会社が賃貸契約を仲介する際に発生する手数料のことを指します。具体的には入居希望者と物件所有者の間で成立した契約に基づく賃料を基準とした金額が不動産会社に支払われます。一般的には0.5ヶ月分から1ヶ月分の賃料に消費税を含めた額、つまりは0.55ヶ月分から1.1ヶ月分となります。この手数料は不動産会社が入居希望者と物件所有者の間で仲介を行ったことに対する報酬として支払われるものです。不動産会社は物件の募集、内見や案内、入居希望者からの申し込みの受け付け、物件所有者との交渉、契約書の作成や入居時の手続きなど幅広い業務を行います。そのため、入居希望者はこの手数料を支払うことで、不動産会社が提供するサービスを利用することができます。
支払うタイミング
仲介手数料のみを別で支払うことはほぼなく、敷金や礼金などの初期費用とともに支払うのが一般的です。賃貸物件に入居する際には鍵の交換費用や保険料など、高額な初期費用が必要となることが多いです。こうした初期費用は原則として賃貸借契約を締結した際に支払います。何らかの理由で遅れたとしても、入居開始の前日までには入金しなければなりません。直前になって慌てないように、必要となる金額を事前に計算しておくことが大切です。
仲介手数料の上限
手数料の上限は1.1ヶ月
賃貸物件の仲介手数料の上限は宅地建物取引業法(宅建業法)により定められています。これにより、不動産業者が際限なく不当に利益を得てしまうような状況を未然に防いでいます。具体的には貸主と借主の双方から0.55ヶ月分ずつを上限に、不動産会社は仲介手数料を報酬として受け取ることが可能とされています。ですが、不動産会社の中には仲介手数料を1.1ヶ月分と定めているケースもあります。これは違法ではなく、依頼者の承諾があれば一方がまとめて支払うこともできることが理由です。
つまり、仲介手数料の実質的な上限はこれらを合計した1.1ヶ月分ということになります。これを超えた額を仲介手数料として請求するのは違法となるので、事前によく確認しておきましょう。また、仲介手数料は見えやすい場所に提示することが義務付けられているので、店内にそれらが見当たらない不動産会社は違法な操業を行っている可能性があります。ちなみに、仲介手数料の上限に関しては明確に定められていますが、下限については特に決まりはありません。
仲介手数料は安くなるのか
先述したように賃貸物件の仲介手数料には上限はあっても、下限については定められていません。多くの不動産会社は0.55ヶ月から1.1ヶ月としていますが、場合によってはそれよりも安く抑えられるケースもあります。例えば、不動産会社自体が貸主でもあるケースです。不動産会社が管理している賃貸物件であれば、仲介手数料だけでなく管理業務による収益も見込めることから、仲介手数料を安めに設定する場合もあります。他には、物件の所有者と直接賃貸契約を結ぶという方法もあります。間に不動産会社を挟まないので、当然仲介手数料は発生しません。但し、不動産会社の様々なサービスが受けられなかったり、契約上のトラブルが生じたりする可能性がある点には留意しましょう。
仲介手数料の上限は原則として0.55ヶ月分とされていますが、依頼者の承諾があれば双方の報酬の合計額をどちらか一方から受け取ることも可能となります。これを利用して貸主が仲介手数料を負担することで、入居希望者が支払う仲介手数料をなくす場合もあります。不便な立地だったり、築年数の多い物件で入居者が見つからなかったりする時にこういった方法が選ばれることがあります。
交渉によって安くしてもらう手も
不動産会社は仲介手数料が主な収益ですが、物件の賃料や需要供給状況などによっては交渉で安くなる可能性もあります。交渉を拒否している不動産会社も多いので、まずは相手方の方針を確認しておく必要があります。仲介手数料の交渉を切り出すタイミングは、入居を決めてから契約を進める前までの間が望ましいです。また、不動産業界の繁忙期は1月から3月で、その後の6月から8月付近が閑散期に当たります。仲介手数料の交渉を考慮するなら、閑散期を狙うのが有利です。繁忙期は無理に交渉に応じなくても他の入居希望者を探せば良いですが、閑散期はそのまま空き部屋となってしまう可能性が高いのがその理由です。仲介手数料の交渉はお互いを信頼することが前提のやりとりなので、一方的に要求を押し付けるのではなく相手のことも考えながら交渉することが大切です。予算を少し超えているので相談したい、値引きに応じてもらえればすぐに契約するというスタンスで交渉に臨むのが良いでしょう。
仲介手数料が安い場合のデメリット
賃貸物件の仲介手数料が安い場合にはデメリットやリスクがある可能性も考慮しましょう。例えば、不動産会社がサービスを提供するための人員や設備を十分に確保できていないケースがあります。サポート体制が不十分で契約後にトラブルが発生しても迅速に対応できないかもしれません。また、仲介手数料が安すぎる不動産会社は、適切な業務を行っていない可能性もあります。物件の状態が悪く問題があっても、適切な説明をせずに契約を急かしたり、契約書の内容が不明瞭な業者も存在したりするので注意が必要です。不動産会社が優良な物件を選ばずに、仲介手数料を安く設定している場合もあります。これらのデメリットは仲介手数料が安いからといって必ずしも起こるわけではありません。ただ、安い手数料には相応の理由がある可能性も念頭に置いて慎重に検討することが大切です。
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初期費用を抑えるには
賃貸物件に入居する際の初期費用には仲介手数料も含まれますが、ここではそれ以外のコストを抑える方法を紹介します。
物件を厳選する
賃貸物件の初期費用の中で、大きな割合を占めるのは敷金と礼金です。これだけで賃料の数カ月分となっているのが一般的ですが、物件によっては敷金や礼金が無料となっているものもあります。そうした物件を選ぶことで初期費用を大きく削ることができるでしょう。また、地域を選べるのであれば家賃の安いエリアを選ぶのも有効です。家賃の相場は場所によって異なるので、それを念頭に置いて物件を探すのも良いでしょう。仲介手数料や敷金、礼金は賃料を基準にするのが普通なので、家賃を抑えられればそれに付随してそれらの初期費用も安くなります。見落としがちな点としては高額な共益費や管理費が請求される物件があることです。物件選びの際にはそれらについてもよく確認しておくと、後々トラブルへ発展するリスクを減らすことができます。
フリーレント物件と呼ばれる一定期間家賃が無料になる物件もあります。そうした物件を選ぶのも初期費用を抑える上では有効です。但し、短期間で賃貸契約を解除するなど、条件によっては違約金が発生する可能性もあるので注意が必要です。短期間の契約なら、家具や家電などが揃った物件を選ぶと初期費用を抑えられる場合があります。月々の家賃は高めに設定される傾向にありますが、初期費用は少なくて済むため短期間だけ部屋を借りたいケースには向いています。
交渉で初期費用を抑える
不動産会社の方針にもよりますが、交渉によって初期費用を抑えられる場合もあります。物件の状態や周辺の家賃相場によっては、賃料の引き下げに応じてもらえる可能性はあります。仲介手数料は最大で家賃の1.1ヶ月分ですし、敷金や礼金も家賃を元に設定されているのが一般的なので、賃料の値引きは初期費用の節約にも大きく影響します。敷金もオーナーや不動産会社と交渉することで、引き下げてもらえるケースがあります。敷金や礼金は初期費用の中でも大きな割合を占めているので、これを安く抑えられるのは大切です。また、転居する時期を早めることで不動産会社から割引を受けられる場合もあるので、確認してみるのも良いでしょう。
交渉の際には相手の立場を理解し、できるだけ交渉する理由や希望する条件を明確にするのがコツです。そこが明確で提案が具体的であるほど、相手も納得しやすく交渉の成功率も高まります。そのためには、できるだけ必要な情報を事前に集めておくことが大切です。一方的に自分の要求を突き付けるのではなく、相手にもメリットのあるような提案ができればベストです。相手を敵視するのではなく、節度を持って交渉に臨むよう心掛けなければなりません。
まとめ
賃貸物件の仲介手数料の上限は1.1ヶ月分
賃貸物件の仲介手数料は宅建業法により、原則として賃料の0.55ヶ月分を貸主と借主の双方から受け取ることが可能であると定められています。依頼者の承諾を得れば一方がまとめて支払えるため、上限は合計の1.1ヶ月分までとなります。あくまで上限なので、物件のオーナーや不動産会社の意向によっては安くなったり無料となったりする可能性もあります。交渉に応じてもらえる場合もあるので、確認してみるのも良いでしょう。
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