重量鉄骨は避けるべき?やめとけと言われる理由と隠れたメリットをご紹介
重量鉄骨造とは
戸建住宅よりも集合住宅に多い建築構造の一つが、鉄骨造です。鉄骨造には重量鉄骨と軽量鉄骨があり、同じ鉄骨造であっても特徴は大きく異なります。ここでは、重量鉄骨造の特徴と軽量鉄骨との違いを説明します。
重量鉄骨造の特徴
重量鉄骨造に使われるのは厚さが6mm以上の鋼材で、建物の柱や梁などに使用されます。厚みのある鋼材を使用すると柱や梁を少なくでき、建物内の空間を広くとることが可能です。厚みがある鋼材を使うことで、高い耐久性を実現できます。そのため、マンションや高層ビル、工場や商業施設などで使用されるケースが目立ちます。
軽量鉄骨造との違い
重量鉄骨増と軽量鉄骨造を比較すると、建築物に以下のような違いが出てきます。
建物の高さ
同じ鉄骨でも鋼材の厚みだと6mm以上の重量鉄骨、6mm未満だと軽量鉄骨に区分されます。この厚みによって強度に違いが出てくるため、建物の階数により使い分けされています。一般的に3階建て以上のマンションやビルは重量鉄骨造が採用され、2階建てまでのアパートや戸建て住宅、小規模店舗などは軽量鉄骨になるケースが多いようです。
建物の立てやすさ
重量鉄骨は軽量鉄骨に比べて建材自体が重く、地盤がしっかりしていないと建物を建てることができません。地盤によっては改良を行ったり、基礎を築いたりする必要があります。そのため、地盤や基礎工事の程度によっては、軽量鉄骨よりも建築費用や作業時間がかかってしまいます。一方、軽量鉄骨は建材が組みやすく、建築コストも抑えられます。賃貸アパートなど、コストパフォーマンスが求められる建物で軽量鉄骨が採用され、広さや間取りのアレンジが必要な体育館や大型店舗では重量鉄骨が多く使われます。
法定耐用年数
重量鉄骨造は、軽量鉄骨造に比べて法定耐用年数が長めです。例えば、骨格材の厚さが4mm以上の重量鉄骨の建物の法定耐用年数は34年ですが、骨格材の厚さが4mm以下の軽量鉄骨では27年、厚さ3mm以下では19年になります。
なお、法定耐用年数と使用可能な年数は異なります。法定耐用年数が過ぎると、即住めなくなるというわけではありません。必要な修繕や定期点検・メンテナンスを実施していれば建物自体の寿命を延ばすことは十分に可能です。実際、重量鉄骨造の建物は、雨漏りや結露などの対策を講じて錆を防止すると、50年から60年程度の耐久性が期待できるようです。建物が古くなると家賃相場が下がるため、建物の強度はそのままに家賃をおさえて住むこともできるでしょう。賃貸住宅を探している方は、建物の管理やメンテナンスがされているか確認して選ぶと良いかもしれません。
重量鉄骨造のメリット
重量鉄骨造の建物には多くのメリットがあります。ここで、賃貸住宅に住むことを想定した利点を見てみましょう。
耐震性や耐久性に優れている
重量鉄骨造の建物に使用される鋼材の厚みはすべて6mm以上となり、大きな揺れを吸収できるため、耐震性に優れています。軽量鉄骨と比較して鋼材が厚く、柱も太いため、建物の耐久性があり、安心して住むことができます。 また木造についても同様で耐震性等は重量鉄骨造の方が優れています。
自由度の高い間取りを実現できる
重量鉄骨造は、柱や梁を気にせずにお部屋のレイアウトを行える利点があります。重量鉄骨造は一つ一つの鋼材に強度があり、他の工法に比べて柱の数を少なくできます。RC造やSRC造に見られる部屋の隅の柱や梁などを必要とせず、デッドスペースが発生しにくくなります。重量鉄骨で作られた建物では部屋を区切らず大きな空間を作ることもできるため、リビングなどに広いお部屋を実現できる場合があります。
設備が充実している住宅が多い
重量鉄骨造はマンション建築に採用されることが多い構造です。マンションの賃貸物件は、バス・トイレが別、独立した洗面台がある、システムキッチン完備、2口コンロがあるなど、生活の満足度を高める設備が充実しているケースが多く見られます。また、TVモニター付きのインターフォンやオートロックなど、防犯設備も採用されています。
RC造(鉄筋コンクリート造)よりも家賃相場が安め
多くの場合、集合住宅の賃貸物件に良く見られるRC造よりも家賃を抑えられます。その差は間取りにもよりますが1LDKほどであれば約5000円ほど安くなります。 建物構造と家賃の両方に重きを置いて住まい探しをしている方は、重量鉄骨造の物件を中心に検討すると良い物件に出会えるかもしれません。
重量鉄骨造のデメリット
重量鉄骨造にはメリットだけでなくデメリットもあります。デメリットを理解し、賃貸住宅選びの参考にしてください。
コンクリート造の建物と比較すると遮音性が低い
重量鉄骨構造の建物は、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)やRC造よりも遮音性が乏しく、うるさいと感じる人もいます。日本建築学会が提示した指標によると、重量鉄骨造の遮音性能は「L-60」で、足音やドアの開閉音・振動を伴う音が聞こえ、上下に音が響きやすいものの、隣の話し声などは気にならない程度とされます。それに対してRC造の遮音性能は「L-50」で、子どもの鳴き声や走り回る音は聞こえるものの、隣のテレビの音やシャワーの音はほぼ聞こえません。また、SRC造になるとさらに遮音性能が上がり、子どもの鳴き声や走り回る音、落下音がかすかに聞こえる程度の「L-40」になります。重量鉄骨造の賃貸住宅では、元気な子供がいたりドアを頻繁に開け閉めする方が隣室に住んでいると生活音が気になる場合があります。
木造や軽量鉄骨造よりも家賃が高い
重量鉄骨構造の建物は、広さや間取り、立地が同程度の賃貸住宅の場合、木造や軽量鉄骨造よりも家賃は高めになります。これは、木造や軽量鉄骨造の建物よりも建築コストがかかることが要因です。
工期が長いため引っ越し日に間に合わない可能性がある
重量鉄骨造の建物は、地盤工事が必要になったり、耐久性の高い鉄骨の搬入に時間がかかったりするため、工事着工から完成までの期間が長めです。また、建物の階数が多くなるほど工期が伸びます。新築の賃貸住宅を希望していて、すでに入居予定日が決まっている方は、完成済み物件を除き、入居可能日を確認するようおすすめします。
重量鉄骨造はこんな人にオススメ
上記で取り上げたメリットやデメリットを加味し、重量鉄骨造がどのような人におすすめできるか記載します。
室内のレイアウトにこだわりたい方
強度がある梁や柱を使う重量鉄骨造では、室内のデッドスペースがほとんどなくなります。構造自体が丈夫なため、お部屋一つ一つが広い物件もあるようです。デッドスペースがなく広い部屋であれば、好きな場所に家具を置くことができ、レイアウトの幅も広がります。
家賃をおさえつつ設備が整った住宅に住みたい方
重量鉄鋼造の賃貸マンションでは、オーナーが周囲と差別化を図るために設備を充実させ、空室リスクを抑える工夫をしています。それでも、SR造の賃貸マンションより家賃が下がるケースが少なくありません。住みやすい設備があり家賃も安いところに住みたい方に向いた構造の物件と言えるでしょう。また、重量鉄骨造のマンションには来訪者を確認できるTVモニター付きのインターホンや不審者を建物内に入れることを防ぐオートロックが採用されるケースが目立ちます。そのため、防犯を意識する女性や学生の方にもおすすめです。
耐震性を重視して住まいを選びたい方
近年は各地で大きな地震が起き、耐震性を重視する方が増えています。重量鉄骨造の場合、耐震性のカギとなる柱や梁は6mm以上の厚さの鋼材を使います。加えて、重量のある鉄骨を組み合わせて骨組みしているため、大きな揺れを吸収できます。賃貸住宅であっても地震による被害を最小限に抑えたい方は、重量鉄骨造の物件を中心に検討すると良いでしょう。
重量鉄骨マンションの選び方
マンションに採用されることが多い重量鉄骨造は、建物の構造や耐久性の面では申し分ないものの、口コミでは「うるさい」という評価もあり、遮音性を懸念される方は少なくないかもしれません。ここでは、数ある重量鉄骨マンションの中で条件の良い物件を選ぶ方法を、遮音性に重点を置いてご紹介します。
騒音の少ない地域やエリアで選ぶ
重量鉄骨マンションを検討する場合は、立地を考えると良いでしょう。大通りや線路沿いなどを避けると、深夜・早朝の騒音に悩まされることは少なくなるはずです。とはいっても、重量鉄骨マンション建設にはクレーンなどの重機を使う必要があり、道幅が狭い場所では建てられません。そのため、広い通りに面していることが多くなると考えられます。交通量などを考慮し、快適なライフスタイルを実現できる環境のマンションを選ぶと良いでしょう。騒音が発生しやすい幼稚園や小中学校、運送会社や修理工場などの周辺も避けるようおすすめします。
戸数の少ないマンションを選ぶ
重量鉄骨造は、世帯の数だけ騒音リスクが高まります。戸数の少ないマンションを選ぶと良いかもしれません。
単身者用のマンションを選ぶ(単身者限定)
単身者に限りますが、ファミリー層向けではなく単身者向けのマンションを選ぶのが賢明です。音の問題は毎日のことになるため、小さい子供がいる家庭同士であれば、お互いさまとみなせることでも、単身者が同じように考えるのは難しいでしょう。また、ファミリー層と単身者では生活時間が異なり、音の面でお互いにストレスを感じる場合があります。
最上階の角部屋を選ぶ
重量鉄骨造の建物は、特に上下階の音が響く特性があるため、最上階の角部屋を選ぶようおすすめします。最上階は上からの音を気にする必要がなく、隣室も一方だけになるからです。角部屋は中央部のお部屋に比べて窓が多い場合があり、日当たりや風通しも期待できます。
重量鉄骨造の騒音対策
賃貸住宅では大掛かりな工事ができず、自身で取り組める騒音対策は限られます。それでも、住み心地を改善するのに役立つ方法はあります。ここでは、他室からの騒音と自室から出る音の両面から重量鉄骨造の騒音対策を考えます。
壁への防音対策
一般的に、重量鉄骨造のマンションは隣室の声などは聞こえにくいとされますが、建物の造りや住民の声の大きさや質により気になるケースも出てきます。そのような場合は、壁に防音シートを貼ると騒音を軽減できるでしょう。自室の音が気になる場合は、吸音シートを利用します。加えて、隣室と隣り合う壁に大きめの家具を置くのも効果的です。高さのある本棚やテレビボードなどを置き、天井まで覆うように配置するとより効果が高くなります。テレビやスピーカーなど音が出る製品を壁から離すと、隣室への影響を軽減できます。
床への防音対策
2階以上に住む方は、他の住民に配慮して防音対策を行うと無用なトラブルを避けられるかもしれません。例えば、家の中でやわらかい素材のルームシューズを履いたり、防音マットやカーペットを敷いたりできます。また、家具の足の部分に保護シールを付けるのも良い方法です。引きずる椅子などを中心に保護シートをつけると、床へのダメージを減らす助けになり、退去費用を抑えることにもつながります。なお、家具の保護シールは100円ショップなどで手軽に購入できます。また、床への防音対策で忘れたくないのが洗濯機です。洗濯機を回しているときの振動は、考えている以上に響くものです。引っ越し前に専用の防振マットを購入しておき、洗濯機を置くタイミングで敷くと良いでしょう。
屋外からの防音対策
外部からの騒音に対処するのに防音性の高いカーテンは有効です。一口に防音カーテンと言っても、機能は2つに分かれます。一つは生活音を伝えにくくする吸音タイプ、もう一つは外部の音を跳ね返す遮音タイプです。目的に合ったものを購入しましょう。加えて、窓や玄関に防音テープを貼るのも良い方法です。特にドアは、きちんと閉めたとしても扉と扉が当たる建物側の部分に隙間ができ、防音性を低下させる原因になります。隙間を埋めるテープの中でも、密着度が高いゴム製のものがおすすめです。
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