おとり物件の見分け方とは?特徴や引っかからないための対策をご紹介

公開:2021/07/21
更新:2023/05/17
おとり物件の見分け方とは?特徴や引っかからないための対策をご紹介
賃貸物件探しをしていると、運悪く「おとり物件」に遭遇してしまうケースがあります。本来は違法でもある、おとり物件の掲載。しかし残念ながら、今日現在においては、その根絶に至っていません。 本記事では、おとり物件の見分け方や特徴、引っかからないための対策をご紹介します。貴重な時間を無駄にしたり、本来の希望に合致しない物件に住むことになったりしないよう、記事内でお伝えするポイントを押さえておきましょう。

おとり物件とは?

おとり物件とは、不動産屋さんが集客目的のために利用する、実際には借りられない物件のこと。釣り物件とも呼ばれます。他の物件情報と共に、募集図面がインターネット(以下、ネット)上に掲載されるほか、不動産店舗の窓面に掲示されることもありますが、どちらも宅建業法違反です。

客寄せ用に掲載されている、実際には借りられない物件

おとり物件は、あくまでも客寄せ用であるため、実際に借りることはできません。過去に募集があったものをそのまま流用していることもあれば、条件を改良した、言わば「架空物件」である場合もあります。

不動産屋さんの収益源の1つである賃貸物件の仲介手数料。仲介手数料を増やすには、賃貸借契約の成約数を上げなければならず、成約数を上げるためには集客力や来店率を高める必要があります。そのため多くの不動産屋さんは、営業に力を入れたり、お得なキャンペーンを打ち出したりしながら、集客力を上げる工夫をしているのです。そうした中、手段を選ばない一部の不動産屋さんによって、おとり物件が掲載されてしまっています。

問い合わせると、別の物件が紹介される

おとり物件の場合、「直接問い合わせをすると、別の物件が紹介される」というのがよくあるパターンです。「問い合わせが来る直前に成約になった」と言うこともあれば、「実はあの物件には問題がある」などと事実とは異なる理由をつけて、別の物件へ誘導することもあります。

内見予約ができた場合でも、気は抜けません。内見当日になってから、何らかの理由をつけて内見を断られることがあるからです。この場合も、「せっかく足を運んでもらって悪いので」と別の物件を紹介されます。

本来は違法

実際には借りられない物件を客寄せ目的に掲載することは、宅建業法32条で禁止されている行為です。この業法に違反した場合は、一定期間の業務停止や、情状が重い場合には、不動産取引に関する免許の取消し処分となることもあります。しかし、その摘発の難しさから、おとり物件を掲載する不動産屋さんは後を絶たないのです。

サイトの反映遅れや不動産屋さんの管理漏れの場合も

おとり物件の中には、成約済みの物件や架空物件のように「故意に掲載されているもの」のほか、サイトの反映遅れや不動産屋さんの管理漏れによって、結果として「おとり物件になってしまっているもの」もあります。自社管理ではない物件の場合は、成約状況をタイムリーに知ることは困難です。したがって、他社が仲介をして成約となった場合には、その情報がサイトに反映されるまでに一定のタイムラグが生じることは、やむを得ないとも言えます。

一方で、自社サイト及び不動産ポータルサイトに掲載したり、店舗に掲示していたりする物件については、その成約状況を定期的に確認し、必要に応じて情報を更新しなければなりません。この確認及び管理作業を怠ることもルール違反であり、処分対象になっています。

おとり物件に引っかかったときのリスクとは?

不運にもおとり物件に引っかかってしまった場合に抱えるリスクとは、「当初の希望からかけ離れた物件を契約してしまう」ことです。故意におとり物件を掲載する不動産屋さんは、問い合わせや来店してきたお客さんを逃さないよう、言葉巧みに別の物件を勧めてくるでしょう。

一方で、必ずしも全てのお客さんの希望条件に合致する物件を紹介できるとは限りません。そうしたときであっても、なんとか成約に繋げようと、あの手この手で営業トークをしてくる可能性があります。

特に、話に流されやすい人や押しに弱い人は要注意。いろいろと話をしているうちに、自分が当初設定した希望条件からかけ離れた条件の物件を契約してしまっていた、ということがないように気をつけましょう。

おとり物件の特徴と見分け方

おとり物件の特徴は、以下の5つです。これらの特徴のうち、複数のものが当てはまるときは、おとり物件の可能性があります。おとり物件が無くならない以上は、自己防衛のためにも、自分自身で「おとり物件であるか否か」をある程度見分けられると安心です。

家賃が相場よりも突出して安い

家賃は、エリアごとに「相場」があります。その相場に対して明らかに安い家賃である場合や、同じエリア内にある似た条件の物件と比較したときに、突出して家賃が安い場合は注意しましょう。

大家さんとすれば、早く入居者が決まってほしいと考えるのは当然のこと。そのため、近隣の物件よりも多少家賃設定を低くすることはあります。しかし、家賃は毎月の収入に直結します。一度下げてしまった賃料を上げるのは難しいことからも、相場に対して明らかに安い家賃にすることは考えにくいです。

仮におとり物件でなかった場合も、家賃が異常に安いときは注意が必要。事故物件や訳アリ物件の可能性も否めません。不安に感じたときは、不動産屋さんにその理由を聞いてみても良いでしょう。

条件が良すぎる

良い条件が揃いすぎている物件も注意が必要です。そもそも、好条件で誰が見ても人気がありそうな物件は、ポータルサイトに載せていないこともあります。入居待ちが出るような物件は、わざわざお金をかけて掲載しなくても入居者が決まるからです。

1つのサイトにしか掲載されていない

不動産ポータルサイトで賃貸物件検索をすると、複数の不動産屋さんが同一の物件情報を掲載し、入居者を募集しているのを目にするでしょう。入居者募集をする際に、大家さんと不動産屋さんが結ぶ「媒介契約」。この種類が「一般媒介」と呼ばれるものであるときは、直接大家さんと契約を結んでいる不動産屋さんでなくても、借主を探して仲介することが可能です。

少しでも掲載物件数を増やして、お客さんを呼び込みたい不動産屋さんは、こうした一般媒介契約の物件を多く掲載しています。一般媒介の物件であるにも関わらず、不動産ポータルサイト内やその他のサイト上で、同一の物件情報が見つからない場合は、注意が必要です。

住所の詳細や物件名が書かれていない

賃貸募集がされている物件の多くは、その募集図面や詳細情報欄に、物件の詳細な住所や物件名が記載されています。どちらかでも記載されていれば、ネット上で検索し、場所の特定が可能です。しかし、この両方が記載されていない場合は物件の特定を恐れて故意に記載していない可能性もあるので、注意しましょう。

内見可否を即答する

内見可否を問い合わせたときに、可能である旨を即答する場合も注意が必要です。自社管理でない物件は、各物件の進捗をタイムリーに把握することはできません。したがって、問い合わせを受けた都度、確実に案内ができるかを管理会社や大家さんに確認するのが一般的です。

おとり物件に引っかからないためにできること

おとり物件に引っかからないために、入居希望者自身でできる対策が5つあります。気になる物件や内見を申し込みたいと思った物件が、上記のおとり物件を見分けるポイントに複数当てはまっていたり、怪しさを感じたりするときは以下の対策を講じてみましょう。

内見時は現地集合を依頼する

内見時は不動産屋さんを訪問するのではなく、現地集合を依頼します。おとり物件の場合は、実際には内見ができないため、一旦不動産屋さんへ来るよう求められることがほとんどです。「他にも紹介したい物件があるから」と言われた場合も、まずは希望物件の内見がしたい旨を伝えましょう。

「実はネット未掲載の非公開物件が多数ある」と言われた際も注意が必要です。あくまでも現地集合にこだわり、応じてもらえなければ、その不動産屋さんの利用は控えるのが無難でしょう。

住所の詳細や物件名を尋ねる

住所や詳細な物件名が伏せられている場合は、事前にそれらを不動産屋さんに尋ねます。賃貸物件の一連の取引においては詳細情報を隠す必要性はなく、仮にネット上は掲載していなくても、個別の問い合わせに対しては回答してくれるのが一般的です。問い合わせの際に、不動産屋さんを訪問したら詳細情報を教える趣旨の説明をされた場合には、おとり物件である可能性が高いでしょう。

直接電話で問い合わせをする

怪しいと感じたら、「おとり物件でないこと」「確実に内見ができること」を直接電話で問い合わせることをオススメします。はぐらかしたり、曖昧な表現を用いたりしていないかを見極めるようにしましょう。そもそも、誠実な対応をしてくれない不動産屋さんでは、物件を契約すること自体、オススメできません。

不動産屋さんについて調べる

物件情報を掲載している不動産屋さんについても調べてみると安心です。会社名で検索したときに、悪い口コミが出てくる場合は注意しましょう。 自社サイトを持っている場合は、更新頻度を確認してみるのもオススメです。一定期間更新が滞っている場合には、掲載されている物件情報も古い可能性があります。同様に、ポータルサイト上の更新も滞っている場合もあるでしょう。

首都圏不動産公正取引協議会の調査では、「契約後3年5か月以上に渡って掲載され続けていた物件まであった」とのこと。個々の不動産屋さんの情報更新頻度は、情報の信頼度を測る上でも重要です。

参照:公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会「2020年度事業報告」

別の不動産屋さんに問い合わせてみる

一般媒介の物件であるのに情報掲載をしている会社が1社しかないことに怪しさを感じたときは、他の不動産屋さんにその物件の取り扱い可否について尋ねてみましょう。おとり物件でなければ、その会社でも仲介ができると言われるはずです。

問い合わせ物件がおとり物件と分かったら

実際に不動産屋さんに問い合わせをした結果、おとり物件だと分かったり、その可能性が限りなく高いと感じたりしたときは、そのまま話に乗らないように要注意。一旦電話を切り、別の候補を他の不動産屋さんで探しましょう。

そのまま話には乗らない

親身になって相談に乗るような口ぶりであっても、そのまま話に乗ることは避けなければなりません。おとり物件を扱うような、不誠実な不動産屋さんで契約をするのはリスクが高いと言えるからです。契約書や重要事項説明書に記載されている重要な内容についても、借主側にとって都合が悪いと思われる条件は、説明を省いてしまう可能性すら否めません。

別の候補を他の不動産屋さんで探す

希望していた物件がおとり物件であったならば、別の候補を他の不動産屋さんで探すようにしましょう。おとり物件で集客を図る不動産屋さんは、自分たちのノルマ達成のために、何としてでも物件を借りてもらおうとします。相手の口車に乗せられて、気づいたときには本来の希望とは異なる物件を契約してしまっていた、ということも起こりかねません。

まとめ

不動産さんが集客力を上げるためにネット上や店舗の窓面に掲載される、おとり物件。悪意で行われているケースのほか、情報の更新漏れによって、結果的におとり物件になってしまっているケースもあります。いずれの場合も、せっかく「希望に合う物件が見つかった」と思って問い合わせた人、さらには内見予約をして不動産屋さんまで足を運んでしまった人にとっては、時間を無駄にしたことになりかねません。

おとり物件にはいくつかの特徴と見分け方があります。全てのおとり物件をこの見分け方で排除できるとは言い切れませんが、おとり物件に引っかかってしまうリスクを軽減するためにも、今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。問い合わせをした結果、おとり物件だと分かった場合には、一旦冷静になり、別の候補を他の不動産屋さんで探すようにしましょう。

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この記事を書いた人
中條 ふみ
OHEYAGO宅建士ライター
中條 ふみ
銀行とメーカー勤務を経て、夫婦で不動産賃貸経営をする子育てライター。これまでに中古アパート、一棟ビル、戸建の売買や賃貸を経験。保有資格は、宅地建物取引士と2級FP技能士。 自身の経験を活かしながら、女性目線を盛り込んだ不動産関連記事や取材記事を多数執筆。
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