軽量鉄骨アパートは避けるべき?やめとけと言われる理由と隠れたメリットをご紹介
軽量鉄骨造とは
軽量鉄骨造の概要
軽量鉄骨造の定義は「建物の柱・梁といった骨組み部分に6mm未満の鋼材を使用する」ということです。物件情報の資料では、鋼材に使用される「鉄(Steel)」の頭文字を取って「S造」と書かれている場合も多いので覚えておきましょう。比較的低層のアパートや戸建て住宅でよく用いられ、工場で事前に加工した床や壁を現場で組み立てる「プレハブ工法」と相性が良いとされています。施工業者の観点から見ると、大量生産や現場での業務効率化によってコストダウンできるという点が軽量鉄骨造の特徴です。
軽量鉄骨造のデメリット
軽量鉄骨造は住む上で気をつけておきたいポイントがあり、それをネックに感じて敬遠する人も少なくありません。一般的によく知られている軽量鉄骨造のデメリットには、次のようなものが挙げられます。
防音性能は高くない
鉄骨造と聞くと防音性能が高いとイメージするかもしれませんが、実際の防音性能は木造と変わらないと言われています。先に述べたように、軽量鉄骨造の建築で鉄が使われているのはあくまで「柱や梁」です。防音については床や壁の材質が大きく影響しますが、柱や梁が鋼材になっているだけの軽量鉄骨造では高い防音性能は期待できないので注意しましょう。ただし、このデメリットについては内見で防音性をチェックしたり入居後に対策を講じたりすることである程度軽減することが可能です。
断熱性・通気性が低い
軽量鉄骨造で使用する鋼材は調湿・吸湿性能がないため、室内の温度や湿度が外気からの影響を受けやすいという点もデメリットになります。夏は暑くなりやすく冬は寒さを感じやすいという住環境になりがちなので、断熱性や通気性を確保する工夫が大切です。夏場の結露やエアコンの使いすぎによる電気代高騰には十分注意しましょう。また、軽量鉄骨でも通気性が高いと感じられる物件はその分だけ防音性能を犠牲にしている可能性もあります。
間取りに制限がある
軽量鉄骨造の建物は一般的にプレハブ工法で施工されますが、これは各ハウスメーカーがある程度テンプレートを決めて建材を大量生産する工法です。間取りの自由度が低くなるため、物件情報を見ていると似たような間取りになっている部屋も少なくありません。また、鉄骨造は柱・梁が鋼材でできているため後から構造を変えるのが難しいです。強度を上げるため壁の中に「筋交い」と呼ばれる部材を入れることも多く、リフォームが難しくなる可能性があるので注意しましょう。ただし、賃貸住宅の場合は入居者の都合でリフォームすることはまずないのであまり大きなデメリットにはなりません。
軽量鉄骨造のメリット
軽量鉄骨造にはメリットもあるので、自分が住まい選びで重視するポイントと照らし合わせて検討することが大切です。詳しくは以下に挙げるメリットを参考にしてみてください。
建物の品質が安定している
プレハブ工法は建材の質や建物の出来上がりが職人の腕に左右されないため、軽量鉄骨造はクオリティが安定するというメリットがあります。建材が気候によって変化・変形する心配が少なく、加工も比較的容易であるため思わぬ欠陥が発生しにくいのです。
耐震性が高い
骨格部分に鋼材を用いる軽量鉄骨造は、耐震性に優れているという点もメリットです。日本は地震の多い国であり、大きな震災が起きる度に防災への意識が高まっています。そんな中にあって、建物の耐震性が高いというのは暮らしの安心感に直結するポイントです。もちろん地震が起きれば揺れを感じることはありますが、柱が丈夫なので倒壊のリスクは抑えることができます。
耐用年数が長めに設定されている
建物は構造によって耐用年数が定められており、建物の安全性・信頼性の指標として減価償却費用を計算する際にも用いられます。軽量鉄骨造は鋼材の厚みによって法定耐用年数が異なり、それぞれ「3mm以下は19年」「3mmを超えて4mm以下は27年」「4mmを超えるものは34年」です。耐久性が高いだけでなく、シロアリなどの害虫被害に強いという点も見逃せません。適切なメンテナンスが施されていれば、ある程度築年数が経っている物件でも十分快適に暮らせると言えるでしょう。参考までに、住宅および店舗用の木造建築は法定耐用年数22年とされています。
家賃相場が比較的安め
プレハブ工法によって建築コストが抑えられている軽量鉄骨造の物件は、家賃が安く設定されているところも珍しくありません。賃貸物件の家賃は築年数・周辺環境・設備など様々な要素を考慮して決められるものですが、同じような条件であれば軽量鉄骨造の家賃に注目してみるのも良いでしょう。
他の建築構造との比較
軽量鉄骨造についての理解を深めるためには、他の建築工法との違いについて把握するのも有効です。ここでは軽量鉄骨造の引き合いに出されやすい「木造」と「重量鉄骨造」について、それぞれ比較してみましょう。
木造
木造建築は柱や梁に木材を使用する工法であり、Woodの頭文字を取って「W造」と記載されている場合もあります。建材自体に吸湿・調湿性能が備わっているため、室温を快適に保ちやすいという点が軽量鉄骨造との違いです。材料費が安いため家賃も比較的手頃な金額であるケースが多いですが、職人の腕によって住宅の品質が左右されるので内見時にしっかりチェックしましょう。また、シロアリ被害にも注意が必要です。
重量鉄骨造
軽量鉄骨造は6mm未満の鋼材を使用するのに対して、重量鉄骨造では6mm以上の鋼材が使用されています。柱や梁1本あたりの強度と重量が稼げるため、軽量鉄骨よりも少ない部材で建築可能です。建材が少ない分室内を広く設計しやすく、3階建て以上のビルやマンションに採用されるのが一般的と言えるでしょう。基本的には建材の重量に耐え得る土台を作る基礎工事が必要で、建材を重機で扱うなど現場での手間隙や費用がかかります。
軽量鉄骨造はこんな人にオススメ
メリットやデメリットを考慮すると、軽量鉄骨造の物件は次のような人におすすめと言えます。
構造的にハズレの物件に住みたくない
せっかく立地や設備が気に入った物件に入居しても、建物の構造に欠陥があるようでは住み心地も半減です。安定感のあるプレハブ工法で建てられる軽量鉄骨造であれば、建物自体がガタガタで住みにくいといったトラブルに遭うリスクは低くなるでしょう。
費用をある程度抑えて丈夫な家に住みたい
軽量鉄骨造は木造よりも耐久性が高く、鉄筋コンクリート造よりも家賃相場が安いという立ち位置です。「建物の丈夫さは譲れないけれど、高い家賃は払えない」という場合は軽量鉄骨造の物件を中心に探してみてください。
周囲の生活音はあまり気にしない
軽量鉄骨造は建物自体に高い防音性がないため、足音や洗濯機の音など周りの生活音をあまり気にしない人に向いています。ただし周りの音が聞こえるということは、自分の生活音が周りに漏れている可能性が高いので気を付けましょう。 特にファミリーなどでお子様がまだ小さい場合は夜泣きがトラブルの要因となりやすいため注意です。
軽量鉄骨アパートの選び方
入居先として軽量鉄骨造のアパートを検討する場合は、入念な下調べと内見が重要です。ここからは軽量鉄骨造アパートの選び方についてポイントを紹介していきます。軽量鉄骨造のデメリットでは防音性をネックに感じる人が多いので、解説内容も音周りについてが中心です。
過去の騒音トラブルについて聞いておく
気になる物件が見つかったら、内見へ行く前に「その物件で過去に騒音トラブルがなかったか」を不動産業者に聞いてみましょう。個人情報に差し支えない範囲であれば、空き部屋の上下左右にどのような人が住んでいるのか教えてもらえる可能性もあります。
静かな住宅街立地を選ぶ
建物周りの環境は自分の努力で改善することができないので、穏やかな生活を望む場合は幹線道路や繁華街から離れた住宅街の物件を選びましょう。学校や工場など特定の時間帯に騒がしくなりやすい施設にも要注意です。
理想は築10年以内
建築技術の世界は日進月歩であり、数年も経てば新しい技術や建材が実用化される可能性があります。そのため、築年数が浅い物件は新しい技術の導入によって防音性能や耐久性が向上しているケースも珍しくないです。築10年以内の物件が理想的ですが、築浅物件は家賃相場も高めなのでこのあたりは予算と相談してみてください。
共用部がキレイかどうか
アパートのエントランスやポスト周りなど、共用部がキレイに保たれているかどうかも重要なポイントです。共用部が清潔なアパートは住人のマナーやモラルが良く、騒音トラブルが発生する可能性が低いと言えます。騒音問題に限らずご近所付き合いに大きく関わるので、共用部は必ずチェックしておきましょう。
壁に耳を当てる、軽く叩いてみる
お隣さんの迷惑にならない程度に室内の壁を軽く叩いてみて、どの程度の密度があるか確認してみるのも有効です。一口に軽量鉄骨造と言っても壁に使われている建材はそれぞれ異なるので、場合によってはある程度の防音性能が期待できます。また、壁に耳を当てて隣の音が聞こえてくるかどうかも確認してみましょう。声や足音が聞こえてくる場合は、ちょっとした生活音でも周囲に漏れる可能性があります。
手を叩いてみる
窓やドアを締め切った状態の室内で、大きめな音が出るように1~2回手を叩いてみてください。音が良く響くようであれば、室内の建材に重く硬いものが使用されているため比較的防音性能が高めです。逆にあまり響かないようなら、隙間から音漏れしたり音が建材を貫通している可能性があります。
ドアや窓の造りをチェックする
ドアや窓の建て付けが悪いと隙間が生まれるため、防音性能が下がる可能性が高いです。スムーズに開閉できるか、ガタつきがないかなど開閉機会の多い部分は入念に確認しておきましょう。また、窓に関してはガラスの厚みもチェックポイントです。ガラスが厚いほど防音性能は高くなり、昨今では機密性を高めた防音サッシを採用するアパートも増えています。
軽量鉄骨アパートの騒音対策
アパート自体の防音性能を高めるのは難しいですが、自室の防音性能に限って言えばDIYで取り組めるものが多いです。快適な生活と隣人トラブル防止の観点から、有効な騒音対策を以下に紹介します。
遮音カーテンを導入する
アパートの騒音対策として最もポピュラーと言っても過言ではないのが遮音カーテンです。遮音カーテンは通常のものより厚手の生地が使われており、音が貫通するのを防いでくれます。当然ながら窓を行き来する音にだけ有効なので、基本的には外からの音が気になる場合に導入するのが良いでしょう。
吸音パネルを活用する
テレビやオーディオ機器など、音が発生する家具の背後に吸音パネルを設置するのも手軽でおすすめです。音漏れの心配が大きい場合は防音シートを壁に貼り付けるのも良いでしょう。壁に貼り付ける場合は剥がしやすいタイプの両面テープを選んでおくと安心です。
洗濯機に防振ゴムを取り付ける
洗濯機は家電の中でも特に音が大きい部類なので、足に防振ゴムを取り付けて周囲への音漏れに配慮しておきましょう。それでも不安な場合は、吸音パネルや防音シートを併用してみてください。
家具の配置を工夫する
音は空気によって伝わるため、その通り道を物理的に塞げばある程度防音性能を稼げます。例えば自分がよく喋る方向やスピーカーの向いている方向、お隣からの音が気になる方向に家具を設置するだけでも効果が期待できるでしょう。また、家具や家電は壁から5cm以上離して設置するというのが防音性能を高めるためのセオリーです。
床にラグマットやカーペットを敷く
自室からの音が下層の部屋にどれくらい漏れているのかは自分で分かりにくいものです。室内を歩き回ることが多い人は、厚手のカーペットやラグマットを敷いておくだけでも足音の伝達率を下げることができます。子どもやペットが居る家庭でも効果的な対策です。
スリッパを履いて生活する
手軽な足音対策としては、スリッパを履いて日常生活を送るというのも有効です。スリッパのクッションが衝撃を吸収してくれるので、下層に伝わる足音を軽減してくれます。
冷蔵庫の下に防振マット
冷蔵庫は稼働中意外と大きな音が発生するため、防振マットを敷いておくと安心です。冷蔵庫用の防振マットは床を傷付けないという意味合いもあるので、退去時に思わぬ出費が発生することも防いでくれます。
セルフ内見はOHEYAGO(オヘヤゴー)
OHEYAGOはセルフ内見
物件の検索から内見予約、契約までをオンライン上で行うことができます。
内見も営業なしのセルフ内見です。そのため採寸のためなどお客様のご希望がない限りスタッフはお部屋の外でお待ちしております。
その分無駄を省くことができ、仲介手数料は0円~からご紹介しております。
関連する記事
防音性の高い賃貸物件の探し方とは?自分でできる防音対策と共に解説
「鉄筋コンクリート造」と「鉄骨造」はどう違う?特徴と選び方を解説
リノベーション賃貸とは?メリット・デメリットと物件選びのポイントを解説
仲介手数料の安い不動産はどこ?無料や半額の会社をご紹介
木造アパートは避けるべき?やめとけと言われる理由と隠れたメリットをご紹介
東京23区で賃貸物件を探す
港区 | 世田谷区 | 新宿区 | 千代田区 | 大田区 |
文京区 | 品川区 | 江東区 | 中央区 | 目黒区 |
中野区 | 足立区 | 渋谷区 | 杉並区 | 板橋区 |
墨田区 | 台東区 | 江戸川区 | 葛飾区 | 練馬区 |
豊島区 | 北区 | 荒川区 |
人気の条件から物件を探す
敷金・礼金が0円 新築・築浅 南向き バストイレ別 駐車場あり ペット可(相談) 楽器可(相談) 1Kからでも二人入居可能 事務所使用可能 家具・家電付き 最上階