保証人不要の賃貸は避けるべき?やばいと言われる理由や見分け方をご紹介

公開:2023/08/14
更新:2023/11/02
保証人不要の賃貸は避けるべき?やばいと言われる理由や見分け方をご紹介
万が一の際、賃貸物件を借りた本人の代わりに家賃を支払う義務を負うのが保証人の役割です。そんな保証人不要の賃貸物件が存在するのがなぜか不審に思う人も少なくないでしょう。本記事では、保証人不要の賃貸物件は避けるべきかや、保証人不要の賃貸物件を探す際のポイントなどについて解説します。

保証人不要の物件の概要

連帯保証書

実は保証人不要の物件がほとんど

賃貸物件を探していると、しばしば「保証人不要」の文言を目にすることがあるでしょう。いわゆる、保証人不要の賃貸物件です。保証人を用意せずとも借りられる物件と聞くと、少し不安に感じる人もいるようです。しかし、保証人不要の物件の全てに問題があるわけではありません。むしろ、一般的な賃貸物件検索サイトや不動産業者のWebサイトなどに掲載されている物件であれば、問題のない保証人不要物件の方が多数を占めています。

保証人を用意する代わりに保証会社への加入が一般的

保証人不要の物件でも問題がない最大の理由は、保証会社の存在にあります。保証人不要の賃貸物件を借りる際には、保証人を用意する代わりに保証会社との契約を求められるのが一般的です。保証会社の利用により、物件を貸す側はリスクを抑えられます。保証人不要の物件に何か裏や闇があるといったケースはほとんどないといってもよいでしょう。

保証人不要の賃貸が存在する理由

保証会社

保証人不要の賃貸物件は、決して珍しくはありません。それには、社会的な変化も理由としてあるようです。そうした点も含め、保証人不要の賃貸物件が存在する理由をいくつか紹介していきましょう。

保証会社の利用にメリットがあるため

不動産業者や家主は、貸した家に住む人から支払われる家賃を重要な収入源としています。もし家賃の支払いがなければ、重要な収入源を絶たれることとなるため、慎重な契約が求められます。そのため、借主が家賃の支払いができなくなった場合に備えて、保証人を用意してもらうのが一般的です。しかし、前述のように保証会社の利用により、保証人を求めない不動産業者や家主も増えてきました。保証会社は、家賃保証会社や賃貸保証会社とも呼ばれています。家を借りた人が万が一家賃の支払いができなくなった際に、家賃を立て替えるのが保証会社の役割です。

保証会社を利用する場合、物件を借りる側は、保証会社へと保証料を支払う必要があります。また、家賃を滞納したり未払いが続いたりした場合は保証会社が立て替えますが、借主の家賃支払い義務がなくなるわけではありません。この点には注意が必要ですが、賃貸物件を貸す側からすると、この保証会社の利用により、重要な収入源を失うリスクを減らせる点に大きなメリットがあります。

仮に物件を借りる側に保証人を用意してもらったとしても、その保証人が未払い分の家賃をスムーズに支払ってくれるとも限りません。保証人への請求にも時間や労力が必要です。保証会社を利用すれば、保証人がいなくても必要な手続きを行えば立て替えてもらえ、貸す側としてはあまり大きな負担とならずに家賃の回収ができます。より安心して物件を貸せるので、保証人を用意してもらうよりも保証会社の利用を選択する家主が増えているようです。

空室期間を可能な限り短くするため

説明したように、賃貸物件を所有している人にとって、家賃収入は重要な収入源となります。しかし、常に入居者がいる状態を作り上げるのは容易ではありません。少しでも空室期間ができれば、その間は家賃収入が絶たれてしまいます。家を借りたい人がいればすぐにでも貸したい気持ちはあるでしょう。とはいえ、誰にでも貸すこともできません。その人にしっかりとした収入があり、人間性にも問題がないかなどのチェックが必要であるためです。ただし、物件を貸すための条件を増やせば増やすほど借り手がいなくなり、空室期間が延びてしまう可能性も出てきます。

そのような事態を防ぐには、物件を貸すための条件を可能な限り減らす必要があります。保証人を不要とするだけでも、借りたいと考える人は増えるでしょう。借り手を増やせればニーズの高まりも期待でき、結果的に家賃上昇にもつながります。これらのメリットを享受したいと考える不動産業者や家主は、保証人を不要としているケースが多々みられます。

日本では少子高齢化が進み、単身世帯も増えてきています。そのような事情から、保証人を用意できない人も少なくないようです。物件を貸す側が選り好みをしすぎると、こうした人たちのニーズに応えられません。それが、空室期間の長期化につながるリスクも生み出します。そうした社会情勢の変化も、保証人不要の賃貸物件が増えている背景にあるといえそうです。

契約期間が限定的であるため

賃貸物件の中には、契約期間を半年や1年など限定しているものも少なくありません。いわゆる、定期借家と呼ばれる物件です。定期借家契約となる物件は、原則更新ができず、あらかじめ契約期間が定められています。物件の取り壊し時期が決まっているケースや、転勤などで家主が一時的に自宅を空ける必要があり、また、その期間が決まっているケースが多いでしょう。その間、家賃収入があれば、物件の所有者にとっては収入を得られることになります。しかし、借り手が見つからなければ、家賃収入は得られません。

保証人不要とすれば、契約のハードルを下げられます。期間限定で貸し出すため、1日も無駄にしないために、保証人不要の賃貸物件として募集をかけているケースもあるようです。定期借家の場合は、借りられる期間が数ヶ月という物件もあります。保証人不要とするだけでも、入居者が格段に決まりやすくなるでしょう。

保証人不要で危ない物件の特徴・見分け方

危ない物件の見分け方

保証人不要の賃貸物件でも、その多くは特に問題はありません。しかし、一部には注意した方がよい物件もあります。ここでは、保証人不要となっている賃貸物件のうち、慎重に契約を決めた方がよい物件の特徴を紹介しましょう。

保証会社の利用も不要で借りられる

保証人不要の賃貸物件は決して少なくありませんが、それは、説明したように保証会社を利用する不動産業者や家主が増えているためです。もし、保証人不要で、かつ保証会社の利用も不要としている物件があったら、借りるのは避けた方がよいでしょう。保証会社の利用も不要となれば、貸す側にとっては非常に高いリスクを負って物件を貸すことになります。そうまでして物件を貸さなければならない事情があるといわざるをえません。その事情が原因で、借りる側にとってもなんらかのリスクが生じる可能性が出てきます。こうした理由から、保証人に加え、保証会社の利用も不要な賃貸物件は避けた方が無難です。

入居審査が行われていない

保証人不要の賃貸物件を借りる際には、保証会社による入居審査が行われるのが一般的です。保証会社も、物件を借りる人の信用度が低ければ、家賃の肩代わりなどしようとは思いません。収入や金融機関からの借り入れの状況、これまでの返済状況などを考慮し、契約が可能か否かを独自に判断します。その入居審査が行われないということは、無職の人や借金の返済が滞っている人などを含め、誰にでも物件を貸すということです。保証人不要で入居審査も行われなければ、やはり、それほどまでして物件を貸さなければならない事情があると捉えられます。安心して住み続けられる物件ではない可能性もあるため、危険度の高い物件と判断した方がよさそうです。

初期費用が他の物件と比べて安い

敷金や礼金、保証料や手数料など、賃貸物件を借りる際にはさまざまな費用がかかります。これらは特に初期費用と呼ばれますが、借りる側にとってみれば大きな負担となるものでもあるでしょう。安ければ安いほど嬉しいものですが、しかし、他の物件と比較して安すぎる場合には要注意です。初期費用の多くは、物件を貸す側にとって必要なものであり、物件を貸すリスクを下げる効果があります。また、不動産業者など仲介業者の収入源にもなっているため、極端に安くすることは通常できません。保証人が不要であるにもかかわらず、さらに初期費用が他の物件よりも安すぎる場合には、何かしらの事情があると考えられます。初期費用の安さは、つい契約したくなる物件の特徴の一つですが、その理由が明確にならない限り契約には慎重になった方がよいでしょう。

長期間入居者を募集している

保証人が不要ということは、借りる側としてはハードルが下がっている状態といえます。にもかかわらず、長期間入居者を募集している物件があれば、注意深く検討しなければいけません。長期間入居者を募集している物件は、入居者がなかなか決まらない何かしらの理由があります。物件によりその理由はさまざまですが、少なくとも、入居を希望する人がほとんどいない理由がどこかにあると考慮しておく必要があるでしょう。その多くは、借りる側にとってネガティブなものであるケースが少なくありません。賃貸物件を探している期間が長く、その間に何度も目にするような物件がある場合には、リスクが高いと判断した方が無難です。

相場よりも家賃が安い

家賃が極端に安い場合にも注意が必要です。立地や築年数、設備等を勘案し、同様の物件と比較して家賃が安い場合には、何かしらの理由があると捉えておきましょう。これまで説明してきたように、相場よりも極端に家賃が安い物件には、とりわけネガティブな理由があるケースが大半です。保証人不要とし、借りる側のハードルを下げているにもかかわらず相場よりも極端に家賃が安い物件は、積極的に契約するのを避ける必要があります。少なくとも、危ない物件である可能性が高いと認識し、そのうえで契約を検討した方がよいでしょう。

保証人不要の賃貸を探す時のポイント

内見する

保証人不要の賃貸物件は、保証人がいない人にとっては非常に魅力的です。しかし、保証人不要の物件だからと、安易に契約はできません。ここでは、保証人を不要としている賃貸物件を探す際に意識しておきたいポイントを紹介します。

保証会社を確認する

保証会社を利用するか否かは、基本的に不動産業者や家主が決めます。また、提携している保証会社は、不動産業者や家主ごとに異なります。借りる側が決定したり選んだりすることは原則できません。そのため、保証人不要の賃貸物件を見つけ、その物件を借りることになった際にはどの保証会社との契約となるのかについて、事前に確認しておきたいところです。保証会社ごとの特徴もさまざまです。当然ながら、審査内容も異なります。

審査項目などは基本的に公開されていませんが、インターネット上では、保証会社の口コミが確認できるケースもあります。審査日数や、似たような属性を持つ人の審査結果などを参考にできれば、保証会社のおおよその特徴はつかめるでしょう。もちろん、そうした情報が自身の審査にも当てはまるとは限りません。しかし、評判の良し悪しなどの確認は重要です。保証人不要の賃貸物件を探す際の参考の一つとなりえます。

現地に足を運び内見をする

保証人不要でも保証会社の利用が必須となっていれば、そこまで危険な物件ではないと判断できます。それでも、物件を探す際には、可能な限り現地へと足を運び、内見した方がよいでしょう。写真や文章などで、賃貸物件のイメージを固めてはいけません。実際に目にしたり足を踏み入れたりすると、イメージとは異なる部分も多々見つかるものです。とりわけ、初期費用や家賃などが安い場合には、慎重に確認しましょう。物件そのものだけではなく周辺環境の確認も重要です。初期費用や家賃が安い理由がわかれば、契約も慎重に行えます。

他の物件との比較を行う

さまざまな物件との比較も不可欠です。住みたいエリアに空いている物件が少ししかなければ、比較は難しいでしょう。しかし、エリアや物件に対する条件などが比較的広い場合には、可能な限り多くの物件と比べながらの検討・決断が求められます。比較により、見えてくるものが多々あるためです。保証人不要だから訳あり物件というわけではありませんが、同じ不動産業者に保証人不要の物件と保証人必須の物件があるのであれば、より慎重に他の物件と比較する必要が生じます。

保証人不要の賃貸を借りる時のポイント

保証人不要の賃貸物件を実際に借りる際には、いくつかの注意点を押さえつつ契約する必要があります。ここでは、その注意点を紹介します。

契約期間を確認する

保証会社を利用する際には、基本的には退去するときまで契約期間が継続されます。ただ、一応契約時には保証会社の契約期間も確認しておきましょう。賃貸物件は定期借家などでない限りは、2年ごとの更新が一般的です。保証会社の契約も2年以上となっていれば、途中で契約が切れてしまうこともありません。

保証会社の契約内容を確認する

保証会社の利用には、保証料の支払いが必要です。また、保証料の具体的な金額や割合は、保証会社や賃貸物件などにより異なります。利用する保証会社の契約内容やシステムがどうなっているのかについて、事前に確認しておきましょう。契約内容の確認を怠ると、のちに後悔することにもなりかねません。保証料は最初だけではなく、賃貸物件に住み続ける限り継続的に支払う必要があるため、具体的な保証料の金額も考慮したうえでの契約が求められます。

まとめ

保証人が不要だからといって一括りに危ない物件ではなく、その背景には保証会社への加入が一般的になったことが関係しています。
保証会社にも様々あり、入居の際には大家さんの審査以外に保証会社の審査もあるため、もし自信がない場合は、審査に通過しやすい保証会社を選ぶか保証人を用意して臨んでみましょう。

また、保証会社も保証人もどちらも不要な物件もあります。その場合、貸す側にとっては非常に高いリスクを負っているため何か裏がある可能性が高いです。そのような物件については不動産屋さんへ理由を確認してみたり、他の物件を探してみましょう。

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