和室の賃貸物件は避けるべき?やめとけと言われる理由とメリットをご紹介

公開:2023/10/12
更新:2023/11/02
和室の賃貸物件は避けるべき?やめとけと言われる理由とメリットをご紹介
賃貸物件には洋室が多いですが、探せば和室の物件も見つかります。一般的には、機能的でおしゃれな洋室と比べて人気があるとは言い難いですが、和室ならではの魅力も捨てきれません。こちらでは、和室のメリットやデメリット、どんな人におすすめなのかなどをご紹介していきます。

和室の賃貸がやめとけと言われる理由

和室

和室の賃貸物件に対して否定的な意見が出るのはなぜでしょうか。以下に、和室の賃貸物件のデメリットについて見ていきましょう。

埃が溜まりやすい

和室は畳や障子、ふすまなど埃が付着しやすい場所が多いです。畳は凹凸や隙間があるので埃や髪の毛が挟まりやすく、掃除機を使ってもきれいに取り除くことは容易ではありません。また、障子は桟や敷居の隙間に埃が積もることが多いですが、障子紙を破る恐れがあったり、隙間が狭すぎたりして、掃除が大変です。ふすまも表面が柔らかい素材でできているため、ハタキなどで丁寧に手入れをする必要があります。 埃を栄養とするダニが発生することも多いため、和室に合った掃除をするだけでなく、場合によってはダニなどの害虫対策を別途講じなければなりません。

シミやカビができやすい

埃に加えて、シミやカビが発生しやすいところも和室の弱点の一つです。畳や障子紙、ふすまなどはいずれも天然素材を使っているものが多く、湿気を取り込みやすくなっています。そのため、部屋を閉め切っているとカビが発生しやすく、気づかずに放置していれば衛生面の不安も出てきます。 さらに、これらの素材はいずれも汚れが付着したときに浸み込みやすく、きれいにすることが難しいため、シミになることが多いです。かといって、日当たりの良い時期に窓を開けた状態が続けば逆に日焼けしてしまうこともありますので、こまめな手入れが必要となるでしょう。

退去費用が高額になりやすい

和室の賃貸は費用負担が少ないと思われがちですが、退去費用に関して言えば、洋室よりもむしろ高額になりやすいです。というのも、畳はベッドやタンスなど、重く滅多に動かさない家具を置いていた場合にへこみやすいですし、障子やふすまは取り扱いを誤れば破損してしまうことも少なくありません。これらの修復はコストが高いため、家具を置くときや掃除の際には洋室を利用するときよりも注意や工夫が必要です。

古い物件が多い

賃貸物件を新たに建築する場合、使い勝手の良さや機能性を考慮しているため、ほとんどが洋室です。従って、和室の賃貸物件は築年数が古いものが多く、実際に内見に出向いて設備や見た目に不満を感じるケースが少なくありません。もちろん、あえて和室にこだわった築浅物件やリノベーションを終えた物件もありますので、状態や設備などを事前に確認しておくとよいでしょう。

和室の賃貸のメリット

一方で、和室の賃貸ならではのメリットもあります。以下に具体的に挙げていきましょう。

家賃が安い物件が多い

和室の賃貸物件は、人気の高い洋室の賃貸に比べて需要が少ないため、家賃が比較的安い傾向が見られます。退去費用は洋室に比べて高額になるリスクがあるものの、長期的に住む予定であれば、月々のランニングコストを抑えられる和室の賃貸で得られるメリットは大きいでしょう。 また、家主としては空き室リスクをできるだけ避けたいため、洋室よりも空き室が出やすい和室は価格交渉に応じてもらいやすいです。即時の契約や長期間の利用など、大屋さんにもメリットのある条件で交渉してみましょう。

収納スペースが豊富

洋室はクローゼットなど決められた場所しか収納スペースがありませんが、和室の場合は押入れがあります。間口が広く、奥行きも十分ありますので、収納アイテムを活用すれば季節家電や大量の服などがすっきり収納できるでしょう。デッドスペースができにくく、重い荷物を比較的簡単に出し入れできる点も魅力です。

レイアウトのアレンジがしやすい

和室は畳が敷いてあるのでどこでも座ったり横になったりできます。そのため、室内のレイアウトを自分好みにしやすく、ライフスタイルに合わせた空間に整えられます。 例えば、一人暮らし用のワンルームであれば、寝るときは布団を敷いて、普段は座布団と小さい座卓で広々とした空間にすることもできますし、カーペットやベッドを配置して洋室風にすることも可能です。部屋が複数ある場合は、机を置いて仕事や勉強用のスペースにしたり、ソファやテレビを置いてリビングにしたり、移動式の家具を置いて来客用の部屋と自分の生活スペースとして兼用させたりするのもよいでしょう。

日本の気候に合っている

日本は寒暖の差が激しく、湿度の変化も大きいです。和室は元々、季節によって大きく変化する日本の気候に合わせた設計になっていますので、快適に過ごせます。畳は断熱効果や吸湿性が高く、夏の暑さを和らげてくれます。また、フローリングの床は冬に歩くと寒さが身に沁みますが、畳ならば裸足でもほんのりとした温かさが感じられるでしょう。

生活音が抑えられる

賃貸物件では、特に上の階に住んでいる人の足音や生活音が響きがちです。しかし、音を反射するフローリングの床と比べると、畳はクッション性が高いので足音が響きづらくなります。ただし、物件によっては壁が薄かったり、騒音対策が不十分だったりして隣室の音が響くケースも少なくありません。内見のときは間取りや外見だけでなく、音の響きにも注目しましょう。

和室の賃貸はこんな人にオススメ

和室のメリットやデメリットを理解して入居しても、自分には合わなかったというケースもあり得るでしょう。以下に、和室の賃貸はどんな人にオススメなのかを見ていきます。

家賃を抑えたい人

和室は退去費用が高くなりやすい反面、家賃が安い物件を見つけやすいです。そのため、長く利用するほどトータルのコストは抑えられますし、月々の支出も減らせます。退去費用についても、基本的には敷金から差し引かれることになりますし、経年劣化による修繕は大屋さんの負担になっていることがほとんどですので、自分の不注意で物件に傷や汚れをつけた場合以外はそれほど気にする必要はないでしょう。 逆に、家賃よりも見た目や利便性、築年数などにこだわりがある人は、和室が向かない可能性が高いです。

和室の生活に慣れている人

子供の頃から洋室で生活し慣れている人は、和室の収納やレイアウト、掃除などに対応しづらい可能性があります。逆に、布団で寝たり座布団に座ったりする生活に慣れている人ならば、和室の方が落ち着いて生活できるでしょう。定期的な換気や和室ならではのメンテナンス、害虫対策などが苦にならないのであれば、和室のメリットを享受して快適に過ごせます。

広々とした生活空間を確保したい人

洋室はベッドやソファなどを配置するため、どうしても部屋が狭く感じられることが多いです。また、収納スペースも小分けにされていることがほとんどで、収納用の家具を部屋に置くことになるでしょう。 和室は毎日布団を敷いたり、荷物を押し入れから出し入れしたりする手間はかかりますが、その分生活空間も収納スペースも充実しています。工夫次第でほとんどの荷物を押し入れなどの見えない場所に収納できるため、広々とした部屋で過ごしたい人にはぴったりでしょう。

足音が気になる人

賃貸住宅は周囲に生活リズムが異なる人が住んでいるため、自分が休んでいるときに足音などの生活音が聞こえることも少なくありません。逆に、自分が歩き回っている音が周囲に聞こえてしまうこともあるでしょう。人の足音が気になる人、逆に音に関するトラブルに不安を感じている人は、あまり足音が聞こえない畳の部屋で生活をすると安心です。夏場や冬でも裸足で快適に歩けますし、静かに過ごせるでしょう。

和室の賃貸を探す際の注意点

和室の賃貸を探す際には、どのような点に注意すればよいのでしょうか。以下に、チェックしておきたい点についてご紹介していきます。

築年数、設備の古さ

和室の賃貸は築年数が古い物件が多いです。きちんとメンテナンスやリノベーションがされている物件ならともかく、老朽化して生活に支障が出るような物件は避けるようにしましょう。 特に、設備関係が古いと快適に生活できない可能性があります。水回りは劣化しやすいため、水漏れやカビを確認しておきましょう。また、お風呂やトイレが古く汚れている物件は、衛生面にも不安がありますし、エアコンの効きが悪い、シャワーの水圧が弱い、コンロが古く使いにくいなどの問題は、毎日ストレスが溜まります。生活に不自由しない程度の設備が整っている物件を探しましょう。

周辺環境

和室の物件は、周辺環境の影響を受けやすいです。例えば、日当たりが悪い物件や近くに川などの水場がある物件はカビが発生しやすいですが、逆に日当たりが良すぎると畳がすぐに日焼けするでしょう。また、人目に付きやすい位置に窓があると、換気のためにこまめに窓を開けることも難しいです。加えて、自然豊かな立地では、虫が発生する可能性もあります。比較的機密性が高く、劣化しづらい素材で作られている洋室とは異なり、和室で快適に過ごせる立地であることも重要なチェックポイントです。

畳の張替え

退去費用で特に負担が大きいのが、畳の張り替えです。一般的には、経年劣化によって劣化した畳の張り替えは大屋さんが負担することになっていますが、物件によっては入居時や退去時の畳の張り替え費用を入居者負担とする契約内容にしているところもあります。この場合、退去時に畳の張り替え費用を求められる可能性が高いため、契約内容はしっかり確認しましょう。 また、大家さんが費用負担する物件でも、畳がひどく傷んでいるのに張り替えられていないことがあります。通常、畳は10~20年で張替えが必要です。長く住む予定ならば、畳の張り替えをしてからそれほど年数がたっていない物件を選んだほうがよいでしょう。加えて、畳は関東と関西で規格が異なりますし、琉球畳のような特殊なタイプもあります。自分が張り替えるときにどれくらいの費用がかかるのかも想定しておくことをおすすめします。

和室の賃貸で快適に過ごすためのポイント

和室の賃貸で快適に過ごすためには、洋室とは異なるメンテナンスが必要です。和室で快適に暮らすコツについて見ていきましょう。

湿気対策をする

和室は湿気には弱い物件です。家具を畳の上に置いているだけでも、その隙間にカビが発生することがあるほどですので、湿気対策はしっかり行いましょう。 例えば、天気の良い日にこまめに換気をするだけでも違います。押し入れも開けておくと、収納スペースのカビ対策になるでしょう。梅雨時期や室内干しをしているときは、除湿器を使うことをおすすめします。また、時には家具やインテリアを移動させてきちんと掃除をしましょう。拭き掃除をしたときは、しっかり乾燥させてから家具を戻すようにします。 また、冬場は窓の結露からカビが発生することもあるため、注意が必要です。押し入れの収納は、すのこを使うと空気が循環しやすくなります。

汚したときはすぐに掃除する

畳やふすまは汚れを放置しておくと、染み込んで落ちにくくなります。飲み物などをこぼしてしまったときは、すぐに乾いた雑巾で水分を吸い取り、歯ブラシで軽くこすって汚れを浮かせた後に掃除機をかけましょう。飲食をするスペースは畳の上に敷物を敷いておくのもおすすめです。 また、畳専用のフローリングシートや埃を吸着するシールタイプのコロコロ、静電気でほこりを吸着させるモップなど、和室向けの掃除道具を用意しておくと室内をきれいに保てます。

家具による畳のへこみ対策

ベッドやチェストなど、畳がへこむ可能性が高い家具を置くときには、コルクマットや家具用のクッションシートなどを置いて、へこみを予防しましょう。畳がへこんだときには、へこんだ箇所を霧吹きなどで濡らし、濡れタオルなどを当ててアイロンがけをしたり、ドライヤーで乾かしたりすると多少は戻ります。 なお、キャスターや細い脚がついている家具は、接地面が狭いので畳がへこみやすいです。ローベッドのように接地面が広い家具は、負荷が広範囲に及ぶので畳がへこみにくくなりますが、通気性が悪くなるのでカビ対策をしておいた方がよいでしょう。ちなみに、和室の場合は、ローベッドやローチェストのように高さがあまりない家具を置いたほうがバランスよく感じられます。無垢材の家具や畳ベッドなど、和室のインテリアにぴったりの家具もたくさんありますので、自分好みのものを探してみましょう。

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