賃貸の1階は避けるべき?やめとけと言われる理由とメリットをご紹介

公開:2023/10/12
更新:2023/11/02
賃貸の1階は避けるべき?やめとけと言われる理由とメリットをご紹介
「賃貸の1階は家賃が安いがデメリットが多い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、1階の部屋ならではの利点があることをご存じでしょうか。今回は、賃貸の1階に住むメリット・デメリットをご紹介します。合わせて、賃貸の1階でも快適に過ごせる周囲の環境や、物件の特徴も解説していきます。

賃貸の1階がやめとけと言われる理由

賃貸住宅

賃貸マンションやアパートの1階が「やめとけ」と言われるのは、どのような理由があるのでしょうか。賃貸の1階に住むデメリットを紹介していきます。

防犯面に不安がある

賃貸の1階の場合、防犯性が低い可能性があります。1階は上層階と比べて、窓から部屋の様子が見られやすいのが難点。部屋の間取りや住民の行動パターンが把握しやすいと、空き巣のターゲットになるかもしれません。上下左右にすぐに移動できて逃走経路を確保しやすいのも、泥棒に狙われやすい原因となりがちです。また、下着泥棒やストーカー被害の不安もあります。特に女性の一人暮らしの場合は、しっかりとしたセキュリティ対策が必要です。

プライバシー面に不安がある

賃貸の1階は、プライバシー面について不安に思う方も多いでしょう。部屋の窓と道路の距離が近いと、外からの視線が気になってカーテンを開けられないこともあります。また、ベランダに洗濯物を干せないこともあるでしょう。プライバシーが守られていないと精神的なストレスの原因にもなるため、注意が必要です。

虫が入ってきやすい

1階は道路との距離が近いため、害虫に入られやすい傾向にあります。特に、周りに飲食店やゴミ箱が近いと、生ごみにつられた害虫が侵入してくるかもしれません。また、草むらや川、畑などが近いと、虫が寄ってくる原因になります。ゴキブリなどの害虫が怖い方は、しっかりと防虫対策をする必要があるでしょう。

水害のリスクがある

台風や大雨などで浸水や冠水するリスクがあるのも、1階のデメリットです。浸水が起こると、停電やトイレの水が逆流するかもしれません。実際に、2019年の台風19号で、武蔵小杉のタワーマンションで大きな被害が起こった事故がありました。特に、川や海が近い部屋では、災害リスクが高い傾向にあります。賃貸の1階を選ぶ場合は、立地にも注意しましょう。

日当たりが悪い

1階は、上層階よりも日当たりが悪い傾向にあります。特に、周りに背の高い植栽や高層ビルがある場合、日光が届きにくくなりがちです。日当たりが悪いと、洗濯物が乾きにくくなります。洗濯物が乾きにくいと、カビなどにより衣類や布団などの匂いが気になるかもしれません。また、身体が日光を浴びられないと、生活リズムの乱れの原因となることがあります。部屋が暗いと気分が沈みがちになるため、部屋で過ごす時間が長い方は留意してください。

湿気が多い

賃貸の1階は、湿気が多くなる傾向にあります。湿気の原因としては、周囲の視線を気にして喚起が不十分になりがちなことや、地面から近く湿気を取り込みやすいことが挙げられます。特に梅雨の時期には、ジメジメとして不快になるかもしれません。湿気の対策として、除湿機やエアコンを稼働しなければならないこともあるでしょう。

カビやダニが発生する可能性がある

賃貸は湿気が多いことが原因で、冬は窓が結露しやすく、カビやダニが発生することもあります。カビやダニが多いと、アレルギー症状などの健康被害に繋がる可能性も。さらに、壁や床にカビが発生すると退去時にクリーニング費用がかさむこともあるでしょう。

冬場は寒い

賃貸の1階は日当たりが悪い場合が多く、冬場寒いと感じることがあるでしょう。冬場には、しっかりと暖房設備を準備する必要があります。また、暖房を頻繁に利用することで、電気代が高くなってしまうかもしれません。

騒音が気になる

部屋と道路の距離が近いと、騒音が気になる場合があります。人通りや交通量が多いと、話し声や車の排気音がうるさいと感じることもあるでしょう。繁華街が近いと、深夜まで音が聞こえて睡眠に支障をきたすかもしれません。公園や学校が近いと、在宅ワークなどで集中できないという弊害もあります。

部屋からの眺望がよくない

立地によって異なりますが、1階は部屋からの眺めがあまり良くないことが多いです。綺麗な眺望を眺めて暮らしの満足度を高くしたい方、部屋で過ごす時間が多い方には、1階の部屋は不向きかもしれません。

賃貸の1階のメリット

ゴミ捨て

デメリットが多いようにみえる賃貸の1階ですが、実はメリットとなる部分もたくさんあります。1階ならではの利点について、チェックしてみてください。

家賃が安い

賃貸の1階は、2階以上の部屋よりもデメリットも多いため、家賃が安いのがメリットです。新築物件でも家賃が低く設定されているのが相場で、コストを抑えたい方に向いています。もし1階の家賃が上の階と変わらない場合は、家賃交渉ができるときもあります。

下の階を気にする必要がない

1階では、足音や物音を気にしなくてよい利点があります。騒音によって、ほかの住民とトラブルになるのは避けたいところ。特に、小さな子どもがいる家庭、夜勤など深夜に活動することが多い方、友人を呼ぶことが多い学生などにはおすすめです。ただし、左右の部屋との壁が薄いと騒音が聞こえることもあるので、注意しましょう。

火災・地震の時に避難しやすい

1階は水害リスクはありますが、火災や地震の時には避難しやすいという側面もあります。1階だと、火事や地震が起こってエレベーターが停止しても、すぐに逃げられます。また、地震が起こったとき、上層階と比較して家具が転倒しにくいというメリットもあります。

ゴミ・荷物などの運び出しがしやすい

1階だと、重い荷物や家具を持ち出しやすいのもポイント。ベビーカーやキャリーバッグを持っていても、エレベーターを使う必要もなく、楽に運べます。また、引っ越しをする時と荷物を運び出しやすいのが利点。朝忙しい時に、すぐにゴミ出しもできます。

専用の庭が付いている場合がある

物件によっては、専用の庭が付いている場合があります。子ども用の遊び場が作れるのも嬉しいポイント。布団など大きな洗濯物を干す、収納ボックスを置く、ガーデニングを楽しむなど、さまざまな用途に使えます。ただし、近隣住民へ配慮しながら、マンションのルールに従って利用しましょう。

夏は比較的涼しい

1階は、比較的涼しい部屋が多いです。熱気は通常上にあがりやすく、1階は上の階よりも温度が低い傾向にあります。また、周りに植栽や建物があると、日当たりが悪い反面、室温を低く保てるでしょう。

足腰が悪い方も外出しやすい

足腰が悪い方は、1階の方が便利だと感じることも多いでしょう。上層階だと必ずエレベーターを使う必要があり、時間がかかってしまいます また、朝の忙しい時間帯などは、エレベーターを使うことに気を使ってしまうかもしれません。高齢者の方、車椅子を使う方は、1階の方がスムーズに外出できる場合もあります。

賃貸の1階でも気にならない周辺の特徴

1階の部屋はデメリットも多いですが、立地や周辺の環境によっては気にならないこともあります。賃貸の1階のデメリットをカバーできる、周辺の特徴を紹介します。

治安の良いエリアである

防犯面への不安を減らすには、治安の良いエリアがおすすめです。治安の良さを調べる方法には、警視庁が公開する「犯罪情報マップ」を活用する方法があります。犯罪情報マップでは、子ども・女性への付きまといなどの犯罪前兆事案、侵入窃盗などの犯罪情報を、地図上で確認できます。できるだけ犯罪件数が少なく治安の良い地域を選べば、犯罪に巻き込まれるリスクを減らせます。

参考:警視庁犯罪情報マップ 警視庁

飲食店やゴミ置き場、畑などから離れている

飲食店やゴミ置き場などの、虫が寄り付く場所から離れている地域を選びましょう。害虫は、ベランダや壁、室外機などをつたって室内へ侵入します。防虫剤などを使うだけでなく、虫がいない地域を選ぶのも害虫対策のひとつです。また、マンションやアパートのゴミ置き場は、蓋つきのゴミ箱が設置されているところがおすすめ。蓋があると虫が寄り付きにくくなるため、害虫対策ができます。

ハザードマップで安全なエリアである

水害リスクへの対策として、ハザードマップを確認しましょう。ハザードマップは、国土交通省が公開するツールで、地域別の災害の被害予測、避難経路などを確認できます。津波や洪水などの情報をチェックすることが可能です。河川や用水路が近くにあると水害の可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

参考:国土交通省ハザードマップ

高い建物が少ない

日当たりを重視するなら、周りに高い建物がないか確認しましょう。高層ビルや学校、病院などの高い建物が近くにあると、日当たりが悪くなってしまいます。建物の方角によって日陰になる時間帯も変わるため、時間を変えて何度か下見をするのがおすすめです。

騒音が気になる施設や道路が少ない

騒音への対策として、周辺にどのような施設があるかチェックしましょう。特に、飲食店、公園、交通量の多い道路、線路、学校、レジャー施設などは音が気になることがあります。特に、在宅ワークが多い方、専業主婦の方など、家にいる時間帯が長い方はチェックしましょう。

賃貸の1階でも快適な物件の特徴

セキュリティ

1階のデメリットを補うための、対策が施されている物件もあります。ここでは、1階の部屋で快適に過ごせる物件の特徴を紹介します。

セキュリティ設備が充実している

セキュリティ設備が充実している物件を選べば、防犯対策になります。例えば、シャッター付きの窓がある物件がおすすめです。空き巣は窓を割って侵入することがあるので、不在時にはシャッターを閉めて対策ができます。また、オートロックのある物件もおすすめです。不審者が玄関まで侵入することを防げるので、防犯対策として有効です。モニターに録画機能が付いたインターフォンがあれば、ストーカー対策にも活用できます。

また、宅配ボックス付きの物件も、防犯対策になります。配達員と直接顔を合わせないため、女性の一人暮らしの方などは安心です。配達員になりすました強盗などの事件もあるため注意しましょう。ほかにも、管理人が常駐している物件は防犯性が高いのが特徴です。管理人室は建物の入り口付近にあることが多いため、不審者が侵入するハードルを高くします。トラブル時にもすぐに相談できるので、安心して生活できるでしょう。

さらに、ホームセキュリティがある物件もおすすめです。ホームセキュリティは24時間365日稼働しているため、深夜のトラブルでも対応してもらえます。窓やドアが壊れたときにアラートが鳴る仕組みがあるので、空き巣や強盗への対策も可能。緊急通報で警備会社が駆けつけてくれる機能もあり、女性の一人暮らしや、小さな子どもがいる家庭などにおすすめです。

RC造(鉄筋コンクリート造)である

騒音が気になる方、自宅でゆっくりと過ごしたい方は、RC造の物件を選びましょう。RC造とは、建物の建築構造のひとつ。鉄筋とコンクリートで柱や壁が構成され、コンクリートで固めた構造のことをいいます。RC造のメリットには、高い遮音性と気密性が挙げられます。1階でも、周囲の騒音が聞こえづらく快適に過ごせるでしょう。また気密性が高いと空調が効きやすいメリットもあります。冬場の寒い時期でも、暖かさを逃がしにくくします

反対に、RC造以外の木造や鉄骨造などは、RC造よりも防音性能が劣ります。物件を選ぶ時には、建築構造にも注目しましょう。

新築の物件を選ぶ

害虫への対策としては、新築の物件を選ぶのもおすすめです。築年数が長いと、経年劣化でひび割れや傷が発生し、虫が入りやすくなってしまいます。また、以前住んでいた人によっては害虫が住みついている可能性もあります。新築もしくは、できるだけ築年数の浅い物件を選ぶのがおすすめです。

浴室乾燥機がある

賃貸の1階では、浴室乾燥機がある物件もおすすめです。防犯対策で洗濯物が干せない場合や、日当たりが悪くて洗濯物が乾かない場合にも対応できます。また、お風呂場と洗濯物を瞬時に乾かせるので、湿気が多いときのカビ対策にもなります。洗濯物が多いファミリー層や、洗濯物をまとめて行う会社員の方などにおすすめです。

積極的に防災に取り組んでいる

積極的に防災に取り組んでいる物件もおすすめです。例えば、防災倉庫の設置や、非常用電源の準備、防水扉を設けるなどの、災害対策が取られている物件もあります。万が一のときのためにハザードマップを確認するのはもちろん、マンションやアパートの防災取組にも注目しましょう。            

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