賃貸の壁紙が剥がれたときの対処方法は?費用や具体例をご紹介

公開:2023/09/25
更新:2023/11/02
賃貸の壁紙が剥がれたときの対処方法は?費用や具体例をご紹介
賃貸物件で暮らしていると、壁紙が剥がれてくることがあります。剥がれた壁紙を補修するとなったときに、問題となるのが費用を誰が負担するのかということです。今回の記事では、壁紙の補修費用を誰が負担するのか、一般的な補修費用の相場、自分で補修することの是非などを解説していきます。

壁紙が剥がれた際の費用負担先は?

壁紙の張り替え

貸主(大家さんなど)負担のケース

民法では、賃貸借契約を結んだときに貸主が入居者に賃貸物件の使用と収益をさせる義務があるということが定められています。そのため、賃貸物件になんらかのトラブルが発生し、使用・収益ができなくなったときには、貸主の負担で修繕・補修などを行わなければいけません。しかしながら、貸主が、修繕・補修の義務を無制限に負うということはなく、一般的に賃貸借契約で義務を負う範囲が定められます。壁紙については、自然現象を原因としている場合に貸主の負担となることが多いです。

自然現象というのは、入居者が何も関与していないのに剥がれてしまうことを意味します。よくあるのが、壁と壁紙を張り合わせている接着剤が時間の経過に従い経年劣化して粘着力を失ってしまうことです。接着剤の経年劣化は、壁紙を張ってからある程度の月日が経過していればいつ起きても不思議ではありません。壁紙が剥がれてきたけれども、自分が何かをした覚えがないのであれば接着剤の経年劣化の可能性が高いので、その旨を伝えて貸主に壁紙の補修をしてもらいましょう。

入居者負担のケース

剥がれた壁紙の補修費用を入居者が負担するケースは、入居者が故意あるいは過失により壁紙が剥がれるような行動を取ったときです。例えば、入居者自身が壁紙を剥がしてしまったということが考えられます。入居者自身が壁紙を剥がすというのは、家具を移動させるときに壁に家具がぶつかってしまったといったときに起こる可能性があります。他にも、小さい子供のいる家庭であれば、親の見ていないときに玩具などを用いて壁紙を剥がしてしまうということもあるでしょう。いずれにしても、入居者自身が壁紙を剥がしたのであれば自然現象の場合と剥がれ方が違うので、入居者負担であることはわかりやすいです。

また、結露を放置して壁紙が壁から剥がれてしまったという場合も入居者負担のケースに当てはまります。この場合、入居者自身が原因であることを自覚してない可能性があります。結露がなぜ壁紙の剥がれにつながるのかというと、壁紙には湿度の変化に応じて伸縮する性質があるためです。湿度が高くなると壁紙は膨張し、逆に湿度が低くなれば壁紙は収縮します。そうした壁紙の伸縮が繰り返されると壁紙は壁から浮き上がり、最終的には剥がれてしまうのです。壁紙についた結露を乾いた雑巾などで拭いたり、こまめな換気で外気温と室内気温の温度差を減らし湿度を下げたりすることで壁紙の剥がれは防げます。それにもかかわらず、壁紙が剥がれてしまったということは、入居者が手入れを怠ったということであり、壁紙の補修費用を負担するのは入居者という理屈になります。

なお、実質的な費用負担分を減らせることがあります。それは火災保険の特約に、借家人賠償責任補償が付いている場合です。例えば、箪笥などの大型家具を部屋に置いていると、裏側の壁で結露が生じることがあります。結露が生じると、壁紙が剥がれてしまう可能性が高いです。結露による壁紙の剥がれは、入居者が補修費用を負担することになるでしょう。その際に、火災保険で対応できるのであれば、保険会社に報告することで保険金がもらえるので入居者の実質的な費用負担分を減らせます。火災保険を利用する際には、損害が発生してから3年以内が申請期限であることに注意しましょう。

壁紙が剥がれた際の補修費用

壁紙の張り替え作業

壁紙が剥がれた際の補修費用はいくらになるのかということですが、間取りや場所によって金額相場が変わります。

広さごとの費用

間取りによって施工面積が変わるので金額相場も変わります。単身世帯や夫婦2人世帯が主な入居者となるワンルームから、4~5人家族や2世帯が主な入居者となる4LDKまで間取りごとの金額相場は下記のようになっています。金額は量産品であるスタンダードクロスを例にしていますが、スタンダードクロスと消臭加工などランクの高いハイグレードクロスにて料金が異なり、ハイグレードはスタンダードの約1.3-1.6倍ほどの料金に設定されています。

広さ 費用
4畳 約35,000円
6畳 約45,000円
8畳 約50,000円
10畳 約55,000円
12畳 約60,000円

壁紙の補修費用には、壁紙を張ることに加えて養生費用、古い壁紙が完全に剥がれていないときには剥がす費用、壁紙の下地を整える費用などの諸費用が追加されるので実際に支払う金額は数万円程度高くなるでしょう。

場所ごとの相場

最も広いリビングが高額となるのは当然として、トイレ、キッチン、洗面・脱衣所などは施工面積が少ないのに金額が高いと感じる人もいるでしょう。それは、作業のしにくさが関係をしています。リビングや子供部屋の場合は、荷物を外に出してしまえば、凹凸が少なく広々としたスペースがあるので作業をするのが楽です。しかしながら、トイレ、キッチン、洗面・脱衣所は、スペースが狭い上に凹凸も多く、さらに便器や蛇口など作業を邪魔する設備も設置されています。そのため、作業にあたるスタッフの負担が大きくなることにより、費用が高くなるというわけです。壁紙を補修してもらうときには、その点を理解した上で業者の出した見積もりを確認しましょう。

入居期間によって費用は変わる

壁紙が剥がれた際の補修費用は、入居期間によって変わります。壁紙の経年劣化や日常生活に伴う損耗というのは、入居者に責任はなく貸主が負担をしなければなりません。もし、入居者が補修費用の全額を支払うことになれば、貸主の負担分を肩代わりすることになるでしょう。補修費用から、経年劣化や日常生活に伴う損耗の分を差し引いた残りが、入居者の負担分です。その入居者の負担分は、入居期間と壁紙の法定耐用年数から計算できます。

それに加えて、知っておきたいのが、入居期間が6年を超える場合です。6年以上入居していれば、壁紙の残存価値は1円なので入居者の負担も1円ということになっています。しかしながら、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、法定耐用年数を超えた設備等であっても、使用可能な状態であった場合、入居者が故意に破損させてしまうと原状回復に必要な費用を入居者が負担しなければならないと書いています。壁紙の材料費を除いた工事費用や人件費などを請求される可能性があることを理解しておきましょう。

法定耐用年数とは、壁紙のように経年劣化や日常生活の損耗で価値が減じる資産について、残存価値が1円になるまでに要する期間のことです。「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、壁(クロス)の耐用年数は6年です。入居者の負担割合は、法定耐用年数と入居期間がわかっていれば、(法定耐用年数-入居期間)/法定耐用年数で求めることができます。

もし、ワンルームに入居していた人がいたとして、入居期間が4年だったとすると(6年-4年)/6年ですから、入居者の負担は3分の1です。壁紙を張り替えるのに6万円かかったなら、2万円が入居者の負担です。なお、本来なら入居者の負担割合は、新品の状態から何年経過したのかという経過期間を用いて計算しなければいけません。しかし、物件によって壁紙をいつ張り替えたのかということが異なりますし、数字だけ示されても入居者がわかりにくいという問題があります。そこで、入居者にもわかりやすくするため、実務的に経過期間の代わりに入居期間で計算をします。

出典元:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 国土交通省

自分で補修はしていいのか

自分で壁紙を張り替える

オススメはできない

剥がれた壁紙の補修を専門業者に依頼した場合、補修費用は安くないので自分で補修したいと考える人もいるでしょう。しかしながら、自分で補修することは多くのデメリットがあるのでオススメはできません。ここでは、オススメできない理由とは何かを解説してきましょう。

自身で張り替えると原状回復の対象になる

壁紙を自身で張り替えるのは、原状回復の対象となるのでオススメできません。素人が壁紙の張り替えをすると、壁の破損を修繕していなかったり、下地処理や接着剤の塗り方が甘かったりすることがあります。壁紙と壁紙の間に隙間や膨らみができることもあるでしょう。そうした素人の仕事を、貸主が認めてくれる可能性は低いです。結果として、原状回復をするべくプロである業者にやり直しをしてもらうことになります。

業者にやり直しを頼むということは、自分で購入した壁紙・接着剤の費用が無駄になるということです。また、素人が壁紙の張り替えをするというのは、大変な手間と時間がかかる作業です。その努力も徒労に終わります。その上、補修費用を負担しなければならないとなれば、当初の目論見とは反対の結果となるでしょう。高額な補修費用を支払うことは嫌でしょうが、自身で壁紙を張り替えたときの諸々の負担を考えると、最初から業者に任せた方が良いです。

見つかった際にチェックが厳しくなる

壁紙を自身で張り替えた場合、貸主から賃貸物件に無断で手を加える人物だと認定されて、退去時のチェックが厳しくなる可能性があります。壁紙以外にも軽い気持ちでやった補修があったとき、本来ならば見逃してくれるところも原状回復を求められ費用を請求されることもありえます。貸主との付き合いを良好なままで終えたいのであれば、貸主に報告してから業者に補修をしてもらいましょう。

事前予防ならオススメ

剥がれた壁紙を自身で張り替えることはオススメしませんが、事前予防はオススメです。例えば、家具がぶつかったり子供がイタズラをしたりして壁紙が剥がれることがないように、保護シートを張っておくというやり方があります。簡単に剥がせる保護シートなら、退去時に困ることはありません。また、結露などが原因で、壁紙が継ぎ目から少しずつ剥がれてきたときには、壁紙補修用の接着剤で張り付けることでそれ以上の剥がれを防げます。壁紙が固く丸まってしまっているならば、ドライヤーで温めてやると柔らかくなり接着しやすくなります。

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