賃貸物件の申し込みとは?流れや注意点、2番手について解説

公開:2021/12/08
更新:2023/05/17
賃貸物件の申し込みとは?流れや注意点、2番手について解説
賃貸物件を契約する前に必要になる申し込み。お部屋探しをしている人の中には、この申し込みの存在を知らなかったという人もいるかもしれません。しかし、その重要性を理解しないまま安易に申し込むと、契約までスムーズにいかないことも…。 本記事では、賃貸物件の申し込みの概要や流れ、注意点に加えて「2番手」について解説します。これらを理解すれば、よりスムーズかつトラブルなく、申し込みができるでしょう。

賃貸物件の申し込みとは?

契約したい賃貸物件が見つかった際に、仲介の不動産屋さんに申込書を提出して入居の意思表示をするのが賃貸物件の申し込みです。賃貸物件は入居者募集をしているからといって、誰でも希望すれば入居できるわけではありません。申し込み後に行われる大家さんや管理会社、保証会社の審査に通過した人が契約を結べるのです。

入居の意思表示をするもの

賃貸物件の申し込みをすると、大家さんに対して入居の意思表示をしたことになります。大家さん側からすれば、申込者は審査さえ通れば入居するものとして、申込書を受け取るのが一般的です。

不動産屋さんによっては、申し込みを「仮押さえ」と呼ぶこともあります。しかし、ここで言うところの仮押さえとは、「他の人に取られたくないから、とりあえずキープしておく」とは異なるもの。不動産屋さんが仮押さえと言っていた場合も、入居を前提とした申し込みを意味していることがほとんどです。

入居が確約されるものではない

仮に1番手で申し込みをしたからといっても、入居が確約されるわけではありません。申し込み後に行われる審査を通過し、無事に契約書をかわしてはじめて入居が確約されるのです。したがって、少なくとも審査に通過するまでは、お部屋探しが終わったと思わないようにしましょう。

申し込み後も、契約前であればキャンセルは可能

申し込みは契約とは異なるため、申し込み後もキャンセルが可能です。キャンセルをすることによる違約金も発生しません。しかし、安易なキャンセルはマナー違反にもなるため、よほどの理由がない限りはやめましょう。

申し込みをされた大家さんや管理会社、審査依頼を受けた保証会社は、申込者が入居する前提で審査を開始します。申し込みが入った時点で、募集広告を取り下げる不動産屋さんも少なくありません。そうした中で安易にキャンセルをすると、大家さん側への印象が悪くなるだけでなく、仲介の不動産屋さんにも迷惑がかかってしまいます。他の物件を借りにくくなる可能性もあるため、十分注意しましょう。

賃貸物件の申し込みに必要なものは?

賃貸物件の申し込みで必要になるのは、必要事項を記載した申込書と、個人情報が記載された提出書類。申込書へ記載する情報や提出書類は仲介の不動産屋さんごとに若干異なりますが、おおむね以下のとおりです。申込書に記載した情報や提出書類に不備があると、審査に時間がかかったり、審査が通らなくなったりする可能性もあります。申込書へは正確な情報を記載するほか、提出書類は必要に応じてすぐに準備しましょう。

  • 申込書への記載情報
  • 申込者の氏名、住所、連絡先、生年月日
  • 勤務先情報、勤続年数、年収 ・緊急連絡先

提出書類

  • 本人確認書類(免許証や保険証の写し)
  • 収入証明書(課税証明書や源泉徴収票など)

上記のほか、住民票や印鑑証明書が求められるケースもあります。その際は、発行から3ヶ月以内の原本が必要です。

なお、連帯保証人を立てる場合は、連帯保証人についても以下の情報を申込書に記載する必要があります。

  • 連帯保証人の氏名、住所、連絡先、生年月日
  • 申込者との続柄
  • 勤務先情報、勤続年数、年収

不動産屋さんによっては、申込金が必要なことも。金額は1万円程度の場合もあれば、1ヶ月分の家賃額を要求されることもあります。この申込金は一時的な「預り金」であり、キャンセル時には返還されるものです。申込金を預ける際には、必ず「預り証」を発行してもらいましょう。

賃貸物件の申し込み前後の流れは?

賃貸物件への申し込みを境に、お部屋探しには変化が生じます。申し込みをする前は住みたいと思う物件を探し出す作業がメイン。申し込みをして審査を通過した後は、申し込みをした部屋への入居に向けた準備がメインです。

入居申し込み前の流れ

賃貸物件の申し込みをする前の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 希望する条件から物件候補をしぼる
  2. 内見をする
  3. 最終的な候補を決めたり優先順位をつけたりする

内見には時間も労力もかかるため、3件程度まで候補をしぼってから内見するのが現実的です。一方で、最初から物件を1つにしぼると、審査が通らなかったときにお部屋探しをし直さなければならないというリスクも…。少なくとも2件、できれば3件は内見をして相互に比較した上で、一番良いと思った物件に入居申し込みを出すのが理想です。

「なかなか候補がしぼれない」「限られた時間の中で多くの物件を見てみたい」という人には、オンライン内見がオススメ。実際に物件へ行く時間が省けるため、効率よく内見ができます。オンライン内見でさらに候補をしぼってから、現地へ内見に行くのも良いでしょう。

入居申し込み後の流れ

賃貸物件の申し込み後、審査を通過したときの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 初期費用を支払う
  2. 重要事項説明を受け、契約書をかわす
  3. 引越し及び入居

初期費用は契約時に現金で支払うこともありますが、期日までに振込みをする方が一般的。振込みの場合、タイミングによっては相手口座への入金が翌日になることもあるため、支払期日は契約日の前日、またはそれ以前としていることが多いです。

申し込みと異なり、契約後は基本的にキャンセルできません。一旦契約をした以上は、たとえ入居していない段階であっても解約手続きが必要です。その際、前家賃や礼金、仲介手数料など、初期費用で支払う費用の多くは返還されないほか、物件によっては違約金が発生するケースもあるため、十分注意しましょう。

申し込み時点で先客がいる場合は「2番手」

入居募集をしている賃貸物件に申込書を出したときに、「2番手」と言われた経験がある人もいるのではないでしょうか。誰かがすでに申し込みをし、審査結果待ちをしている物件に申し込んだときに言われるのが2番手や3番手です。1番手でないと望みは薄いようにも感じられますが、入居できるチャンスはあります。

申込書は先着順に審査される

申し込み後の審査は、申込書が出された順に行われるもの。つまり、同じような属性や性格、支払い能力であれば、早く申し込みをする方が有利になるのです。ただし、わずかな差で申し込みが複数入った場合には、順位の差を設けずに「同時審査」をすることもあります。

多くの賃貸物件では、入居申し込みが入ったタイミングで一旦、入居募集の広告を取り下げます。しかし、不動産屋さんによっては契約が成立するまで掲載を続けたり、情報更新が遅いために募集情報が掲載されたままになったりすることも…。すでに申し込みが入っている場合はその旨が伝えられますが、誰かしらが審査に通過するまでは申込書の受け付けをしていることが多いでしょう。

2番手にもチャンスはある

申し込み時に2番手と言われても、諦めるのはまだ早いです。1番手が先に審査される分だけ有利ですが、「2番手でもチャンスが巡ってきた」「2番手だったけれど契約できた」という話は、決して珍しくありません。一般的には以下のケースに当てはまると、2番手にチャンスが巡ってきます。

  • 1番手が申し込みをキャンセルした
  • 1番手が審査に落ちた

何らかの理由で1番手が申し込みをキャンセルすると、2番手の審査に移行します。特に、人気物件の場合は「早く押さえないとすぐに埋まってしまう」という心理から、仮押さえのような形で内見直後に申込書を出すケースも少なくありません。しかし、いざ条件をよく確認したり、引越しや入居のタイミングを調整したりした結果、折り合いがつかずにキャンセルとなることもあるのです。

また、1番手が入居審査に落ちたときも、2番手にチャンスが巡ってきます。申込書の記載内容に不備があったり、必要書類がそろわなかったりした場合は、審査そのものが見送りになることも。大家さん側が信頼をおけない人だと判断すれば、属性が良くても審査に落ちる可能性があります。

契約を急いでいる人にはオススメできない

急な引越しや旧居の退去日までに時間がない人には、2番手の物件はオススメできません。通常、入居審査には3日から1週間程度かかると言われています。1週間待った結果、1番手の人が契約するという展開もあるでしょう。自分にチャンスが巡ってきても、必ずしも審査を通過するとは限りません。

入居希望時期が定まっておらず、良い物件が見つかったら入居しようと考えている人や時間に余裕を持ってお部屋探しをしている人であれば、多少時間がかかることも許容できるでしょう。他方、契約を急いでいる人は、契約までに時間がかかりそうな物件は避けた方が無難です。

賃貸物件の入居審査については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

関連記事:賃貸物件の入居審査とは?基準やポイント、落ちる人の特徴を解説

賃貸物件の申し込みをする前に確認すべきこと

内見をして気に入った物件が見つかったら、すぐに申し込みをしたいと考える人もいるでしょう。不動産屋さんから「ここは人気物件だから早く申し込まないと埋まってしまう」と言われ、焦って申し込みをした経験がある人もいるかもしれません。入居審査後にキャンセルすることにならないよう、賃貸物件の申し込み前には以下2点の確認が不可欠です。

家賃はいつから発生するか

通常、家賃は契約書に記載された入居日から発生します。物件情報欄に「即入居」と記載されている場合は、申し込み後2週間程度で家賃が発生するケースも少なくありません。当初の想定よりも早く家賃が発生しないか、申し込み前に確認しておくようにしましょう。

申し込みをしてから入居審査を通過し、契約までにかかる期間はおよそ2週間。大家さんとすれば、少しでも早くから家賃を支払ってもらいたいのが本音です。審査を通過すると具体的な入居日を決めますが、この際も大家さん側からいつ頃までに入居してほしいと言われることが多いでしょう。

契約書に記載されている入居日は、入居可能日や家賃発生日とも読み替えられます。必ずしもこの入居日に合わせて引っ越しをする必要はありませんが、家賃はこの日から発生すると覚えておきましょう。実際の入居日が遅くなれば、居住していないのに家賃だけ支払っている期間や旧居と二重で家賃を支払わなければならない期間が長くなるため、注意が必要です。

初期費用が支払えるか

一般的には、家賃の5ヶ月分の金額が目安と言われている初期費用。まとまった支出であるだけに、契約日までに全額支払えるかはあらかじめ確認しておく必要があります。物件によっては、敷金や礼金がなかったり、仲介手数料が割引になっていたりすることも。申し込みをする前に、初期費用の総額がいくらになるかを不動産屋さんに確認しておくと安心です。

賃貸物件の申し込みをする際の注意点

賃貸物件の申し込みは、契約に向けた重要なステップ。契約を前提にしているからこそ、一定の注意が必要です。

交渉は慎重にする

月々の家賃や家賃発生日、その他の条件面で何かしら大家さんに交渉したいことがある場合は、申し込み前にするのが基本です。しかし、その内容や交渉の仕方によっては大家さんへの印象が悪くなり、入居審査に悪影響を及ぼしかねません。極端に無理なお願いは避ける方が良いでしょう。

入居可否について最終的な判断をするのは、大家さんや管理会社です。たとえ家賃保証会社の審査を通過しても、大家さんが入居させたくないと思えば、契約には至りません。本当に住みたい物件であれば、仲介の不動産屋さんに相談をしながら、交渉が決裂しない範囲で慎重に進めましょう。

安易に申し込まない

前述のとおり、諸条件をよく確認しないまま安易に申し込むのにはリスクがあります。特に、内見をした流れで申し込みをする場合は要注意。その場の雰囲気や流れで安易に申し込まず、落ち着いて検討した上で申し込むことをオススメします。

申し込みをキャンセルした場合、同じ物件への再申し込みはできません。キャンセルの理由や仕方によっては不動産屋さんへの印象も悪くなるため、同じ不動産屋さんでは他の物件も借りにくくなります。安易に申し込んだ結果、お部屋探しの時間が余計にかかったり面倒なことになったりしないよう、十分注意しましょう。

まとめ

賃貸物件の申し込みは、入居の意思表示。内見をして気に入った物件が見つかったら、契約を前提に申込書を出し、大家さん側の審査結果を待つのが一般的な流れです。

申し込み時に2番手と言われても、1番手の人が申し込みをキャンセルしたり審査に落ちたりすれば、2番手にチャンスが巡ってきます。時間に余裕があり、入居を強く希望する場合は、1週間程度待ってみても良いでしょう。

安易な申し込みとキャンセルは、その後のお部屋探しに悪影響を及ぼしかねません。賃貸物件の申し込みは、今回ご紹介した確認点や注意点を踏まえたうえで行いましょう。

よくある質問

契約のタイミングはいつ?

契約のタイミングは一般的には賃貸借契約へ双方が捺印・署名を行なった際です。 ただ、契約の定義は「双方が合意した時」となるため大家さんや不動産会社によっては審査を通過した時点で契約成立とすることもあります。 トラブル回避のためにいつまで申込はキャンセル可能か不動産屋さんに確認しておきましょう。

申込から契約の締結までの期間は?

おおよそ10-14日間となります。 内訳は申込から審査結果確定までが3-7日、審査結果確定から契約までが7-10日となります。 一般的には即日入居可能な物件も入居まで上記の日数がかかるためお部屋探しは余裕をもって行いましょう。

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この記事を書いた人
中條 ふみ
OHEYAGO宅建士ライター
中條 ふみ
銀行とメーカー勤務を経て、夫婦で不動産賃貸経営をする子育てライター。これまでに中古アパート、一棟ビル、戸建の売買や賃貸を経験。保有資格は、宅地建物取引士と2級FP技能士。 自身の経験を活かしながら、女性目線を盛り込んだ不動産関連記事や取材記事を多数執筆。
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